PCゲームのプレイには、強力なGPUパワーが必要だ。これは専用マシンにとっては問題ないが、普段使うPCにとっては荷が重い。しかしVectordashのサービスなら、MacBook Airのような非力なマシンでもリッチなゲーム体験が可能になる。
月額28ドル(約3100円)で提供されるこのサービスは、クラウド上のマシンでレンダリングを担当するため、ラップトップでも利用可能だ。FortniteをあらゆるPCでプレイできるようにするのがこのサービスの目標だが、単純にSteamにログインして自分が所有するタイトルをプレイすることもできる。
クラウドゲーミングサービスと聞くとコストが高くつきそうだが、Vectordashはクラウド経由でGPUパワーを提供するユーザーに報酬を支払うことで、この問題を解決している。同社によれば、GPUの提供者には月額60〜105ドル(約6700〜1万2000円)が支払われるという。Vectordashは暗号通貨の発掘用に用意されたGPUパワーを当てにしており、マイニング報酬に対抗しうる限りビジネスが成立することになる。
外部のGPUパワーに頼るというアイディアは、規模拡大を考えた時にコストが問題となりそうなものだ。しかし、Macのような軽量ラップトップでリッチなゲームが楽しめるのなら、多くのユーザーが月額28ドルを支払うだろうと、Vectordashは考えてる。
この技術は、地理学的な距離に大きく影響される。他のストリーミングサービスとは異なり、キーボードやマウス入力のホストマシンへの送信にかかるレイテンシが、致命的となるからだ。20〜30ms以内にフィードバックを得られなければ、ユーザーはゲームがプレイできないと感じるだろうと、創業者のSharif Shameem氏はTechCrunchに伝えている。
Here’s Apex Legends being played on a 13” Mac.
At ~100 FPS.
With high settings.
At Retina resolution.
With less than 20 ms of latency. https://t.co/6ll4Hw3W51 pic.twitter.com/h1ZExQYtwm
そのためVectordashは、ユーザーがホストマシンから約300マイル(約480キロ)以内に収まるように、ターゲットを限定している。まずサンフランシスコのベイ・エリアからサービスを提供し、最初はアメリカの東西海岸にビジネスを集中させる予定だ。最高設定では4K/60fpsでのゲームプレイが可能だが、ネットワーク環境によっては1080pに設定を落とすこともできる。
Vectordashのアーリーアクセスにはこちらのページからサインアプができる。
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(文/塚本直樹 Twitter)