フォードが自動運転車の研究のために男性をシートに偽装させた

いや見出しは間違いではない。文字通りの意味だ。フォードは、フォード・トランジットが本物の自動運転車のように見えるように、男性をシートに偽装させた。何故か?自動運転車が路上に居るときに、通行人たちや、他の運転手たち、そして自転車などが、どのような反応をするかを評価するためだ。

Virginia Tech Transportation Institute(VTTI)によって実施されたこの試行では、フロントガラスの上部に取り付けられた光るバーを使用して、車が何をしているかも伝えられた。例えば、道を譲っていたり、自律的に動いていたり、停止状態から加速しているといった情報だ。

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さて、なぜハロウィーンでもないというのに、こんなに凝ったドレスアップを行なうのだろうか?主たる理由は、1つは現実のテストではハンドルの前に実際に人が乗っていなければならないこと、そしてもう1つはこの目的の実験のためにはフォードとVTTIは本当の自動運転車を必要としないからだ。道行く人々が本当に自動運転車が走っているものだと考えてくれれば良いのだ。

試行に使用されたTransit Connectのバンは、道を譲ることを示すゆっくりした白い点滅、停止からの加速を示す速い点滅、そして積極的自動運転状態を示す連続点灯で、その振舞を示す。この光るバーはおおよそ運転手の視線がある位置に置かれ、周囲から見るものたちの注意を引こうとしている。

このプロジェクトのためにフォードが選んだシグナルはシンプルだが、それは意図的なものだ。そして既存のシグナル機器(たとえばブレーキライトや方向指示器)を単に置き換えようとするものではなく、私たちが現在アイコンタクトやより分かりにくいやりかたでおこなう微妙なジェスチャーによるコミュニケーションの不足を埋めようとするものだ。

フォードとVTTIはVRテストを実施して、これらは確実に学ばれる必要があることを発見した。人びとは車の意図を理解する前に何度かその場面に遭遇する必要がある。しかし、それらが一貫して繰り返されるならば、広く受け入れられる可能性がある。

テストは始まったばかりだが、フォードとVTTIはすでに、歩行者、他のドライバー、そしてサイクリストの集中する都市部のテストエリアで、約1800マイルをカバーした150時間に及ぶのテストを実施している。最終的な目標は、光によるシグナルの研究を継続し、ISOやSAE Internationalといった業界標準化団体と協力して、これたを複数の自動車メカ―並びに輸送業者の間で共有するということだ。

そのためにはまだまだ沢山の作業が残されている。シートコスチュームが快適なものであることを願う。なぜなら以前みかけた着用可能な椅子はあまり快適ではなさそうだったからだ。

(訳注:この最後のGIFはアメリカのTVシリーズ “It’s Always Sunny in Philadelphia” の最終エピソード “A Very Sunny Christmas” からのクリップ)。

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(翻訳:Sako)