これまでCESは、本格的なロボティクスが登場する展示会では断じてなかった。その状況が近い将来に大きく変わるとは思えないが、毎年少しずつ変わってはきているようだ。コンパニオンロボットやスマートホームロボットなどが主に話題となる中で、Pollen Roboticsの登場は興味深い。
創業してから3年のフランスのスタートアップ、Pollen Roboticsが提供しているReachyという名前のロボットの胴体は、ほかのロボットとは確かに一線を画している。2本のアーム、胸部、頭のあるこの胴体ロボットは、プロトタイピングや研究の目的で作られたオープンソースプラットフォームだ。スタンドアローンのアームが9000ドル(約99万円)、上半身全体が1万7000ドル(約186万円)で今週発売されたばかりだが、同社によればすでにクライアントを獲得しているという。
CESで同社のスタッフは筆者に対し「我々はフランスの研究所と人工装具に関して協業している。またメカニクス、ロボティクス、AIを教えるエンジニアリングスクールにも協力している。サービスのためのロボティクスを研究し、サービスロボティクスのプロトタイピングを始めたいと考えている大規模なイノベーションラボが複数ある」と語った。
Reachyには、CESで見せていた単純な三目並べゲームをはじめとする幅広いアプリの可能性がある。これはプレゼンテーションを必要とする企業のために作られたものだ。この場合、Reachyはテクノロジーを使って展示会のブースのようなところに人々を引き込むというPepperと似たようなニーズを満たすことになる。実際、今回はそのように機能していた。
一方、研究用のロボットは求められてはいるが収益化の難しい分野だ。Willow GarageやRethink Roboticsといった有名企業は教育の場を持っていたが、結局は消えていった。Reachyはこれらのシステムほど先進的ではないようだが、(比較的)低価格であるという点では魅力がある。
このプロジェクトがオープンソースの性質を持っていることも、研究者やスタートアップにとっては最終的には利点となるだろう。
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(翻訳:Kaori Koyama)