メルカリを含むフリマアプリは個人間での物品売買をより手軽にした。だが、その登場は消費行動の変化や周辺サービス業界に一体どのような影響をもたらしているのだろう。そんな疑問をメルカリが調査し、結果を7月31日に発表した。
同調査によるとフリマアプリの周辺サービス市場への経済効果は最大で年間約752億円にもおよぶ。また、以前にも増して、梱包材などを買うために100円ショップに足を運んだり、衣類や靴の修理のためにミスターミニットなどのリペアショップに通うユーザーが増えてきているそうだ。
「フリマアプリの利用によって以前より増して使うようになった店やサービスは何か」という問いに対し、43.9%が商品発送の目的で郵便局の利用が増えたと回答。39.9%はコンビニの利用、33.3%は包装や梱包資材購入目的で100円ショップの利用が増えたと答えている。年間の利用頻度の変化が最も大きかったのが郵便局で1.8回増、次いで宅配便営業所とクリーニングが1.6回増だった。
そのような店やサービスの利用金額の変化は1人当たり年間平均で合計約4143円増加。クリーニングの利用金額変化が最も大きく683円、洋服の仕立て直しが538円、そしてホームセンターがハンドメイド・DIY資材の購入目的で533円増加している。
これらは「より良い状態で洋服などを次のオーナーに届けたい」といったユーザーの想いからきている。42.5%が「修理が必要だがまだ使えるモノを修理して出品してみたい」という意向を持っており、年代別にみると、20代の51. 9%、30代の43.4%、40代の39.1%が同様だった。
だが、上でも説明した「フリマアプリの利用によって以前より増して使うようになった店やサービスは何か」という質問に対し、クリーニングと答えたのは4%、靴・カバン・時計の修理は3.6%、洋服のお直しは2.5%、家電修理は2.4%にとどまっている。
メルカリの小泉文明社長兼COOは当日行われた発表会で「リペアはまだ小さいパーセンテージ」だと話したが、「徐々に目に見える形になってきた。変化を感じた」と加えた。
調査を監修した慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授いわく、上記パーセンテージは「過去1年間の利用経験者の数字」。同氏は「利用の”意向”を聞くともっと数字が高くなる」と捕捉し、「変化の兆しを感じる」と語った。
修理してフリマに出品して見たいと思う理由は「修理した方が高く売れるから」、と答えた人が65.1%。「修理した方が買った人が喜ぶと思うから」が36.7%、「修理した方が早く売れるから」が28.9%となっている。
本調査は全国のフリマアプリ利用者1032名を対象に7月6日から7日に行われた。対象は20代から50代。男女比は1対1となっている。