ブランド商品を販売するEvernote Market、月次売上全体の30%を占めるまでに成長

EvernoteのCEOであるPhil Libinが、パリで行われているLeWebで壇上に立った。Libin曰く、フリーミアムのEvernoteで100万ドルの売り上げを達成するには16ヵ月を要した。それがEvernote Businessは5ヵ月でこの金額を達成し、そして9月に開設したEvernote Marketは、なんと1ヵ月で100万ドルを達成したのだそうだ。

Evernote Marketでは、ポストイットやEvernoteブランドのソックスやバックパックなど幅広く提供している。売れ行きは順調で、在庫の維持に苦労しているほどだという。Libin曰く、Evernote Marketは単なる派生的ブランドショップとしての扱いなのではなく、あくまでもEvernoteビジネスの中核を為すものと位置付けているのだとのこと。今のところのベストセラーはバックパック、Scansnap Evernote Scanner、Jot Script Stylusなどで、これらを併せてEvernote Marketの売り上げ中30%を占めているとのこと。また、Evernote Market全体では、Evernoteの月次売上の30%を占めるまでになっている。

Evernote Marketがスタートするまでは、プレミアムの売り上げが89%で、Evernote Businessが11%となっていた。現在はそれぞれの割合が61%および9%となっている。

現在のEvernoteの状況は、それぞれのビジネスプランがお互いをサポートしあっているという状況であるようだ。実は、Evernote Market利用者の11%はEvernoteの利用者ではないらしい。Evernote Marketの製品を見て、単純に商品を気に入ってバックパックなどを購入しているということのようだ。またEvernote Marketの売り上げの51%は、Evernoteの無料版利用者からのものであるそうだ(Market利用者でも、Evernote無料版の利用者が最大になっている)。投資家の中には、有料版にアップグレードしない利用者ばかりを多く抱えていることを問題視する人もいたが、どうやら無料利用者を抱えることの意味というのもわかりやすく提示できたとLibinは考えているようだ。すなわちEvernoteの無料利用者が、今やEvernoteの行うビジネスの中で非常に重要な顧客として振る舞い始めているわけだ。

毎度出てくるEvernoteの公開話では、Libinはやはり「急ぐつもりはない」と回答していた。IPOには、まだ数年はかかるとみているようだ。ただ、利用者がEvernoteを信頼して膨大な情報を預けてくれるような状況の中、その信頼に応えて会社を公開することの意味は大きいとも考えているそうだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。