ペット向けの遠隔医療プラットフォーム「Dutch」が事業拡大に向けて約23億円調達

バーチャル獣医サービスを提供するプラットフォームDutchが、Forerunner VenturesとEclipse VenturesがリードするシリーズAの投資ラウンドで2000万ドル(約23億円)を調達した。サンフランシスコの同社のこの最新のラウンドは、立ち上げから7カ月後であり、調達総額は2500万ドル(約29億円)になる。Dutchは専門の獣医師を起用して、ペットとその家族にデジタルのヘルスプラットフォームを提供し、誰にとっても利用しやすいペットケアを目指している。

このプラットフォームは2021年7月に、創業者でCEOのJoe Spector(ジョー・スペクター)氏の個人的な体験がヒントになって創業された。スペクター氏がTechCrunchに語ったところによると、彼の兄が飼っていた病気かもしれない犬が放置されているのを見て、もっと簡単に治療を受けることができる現代的な動物病院が必要だと感じた。彼によると、ペットの症状が見てわかるほど重くなってから医療の必要性を意識する飼い主が多く、そんなときでも1回の受診と1回の治療費で済ませようとすることが多いが、これからの飼い主は、そんなことをすべきでない。

「何千万人もの米国人の1人として、妻と私は子犬の世話を引き受けた。ロックダウンの間、自分たちや子どものためにはテレメディスン(遠隔医療)を利用しましたが、私たちの新しい子犬に医療が必要になれば獣医の元まで連れて行く必要があります。それにはお金だけでなく、時間もかかります。人間は、赤ちゃんでさえ医師とオンラインでチャットして処方箋をもらえるのに、ペットはそれができない。日常的でよくある軽い病気なら、もっと現代的で利用しやすい、そしてクオリティが高くて信頼できる獣医さんへのニーズがあるのだと気がつきました」。

Dutchはサービス開始以来、100名の獣医師と2万5000匹以上のペットにサービスを提供している。このプラットフォームを利用するには、ペットの飼い主にいくつかの情報を提供してもらい、その後、ビデオ通話の時間を設定することができる。初回訪問を終えたら、プラットフォームを通じていつでも獣医師と再接続することができる。Dutchの獣医師チームは、かゆみ、震えや震え、脱毛、1人でいることへの恐怖、食事や栄養、新しい場所や人への恐怖、皮膚の赤みや炎症、嘔吐など、数多くの問題を解決することができる。

画像クレジット:Dutch

新たな資金の用途としてスペクター氏が考えているのは、同社の知財保護の確立、そしてペットたちの医療履歴をデータベースに保存して飼い主が閲覧したり、ペットのデータや処方を共有できるようにしたいという。また、獣医だけでなく薬剤師のネットワークを大きくして、同日または翌日配達を可能にすること。さらにまた、多様な人材の協力を求めて顧客獲得ツールを作り、同時に、現在の獣医ネットワークをもっと拡張したいとのことだ。

将来的には、会員特典を充実させるとともに、ペットの状態に合わせて顧客がコミュニケーション方法を選べるようにする予定だと、スペクター氏はいう。

「私たちにとっての究極の目標は、ペットの健康を消費者の手に委ねることです」と、スペクター氏はいう。「消費者を中心に考え、できるだけ多くのサービスを消費者の手元で、消費者の時間に合わせて提供することに力を注ぎたいと思います。商品提供や価格の透明性を高め、高い価値とカスタマイズ性を実現したい」。

DutchのシリーズA投資は、昨年発表されたJimmy Fallon(ジミー・ファロン)氏の支援による500万ドル(約5億7000万円)のシードラウンドに続くものだ。このシードラウンドはForerunner Venturesが主導し、Bling CapitalとTrust Venturesが参加している。

画像クレジット:Dutch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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