ホンダが提供する国内ビジネスジェット界の期待の星「ホンダジェット」。7人乗りの小型ビジネスジェット機で、巡航速度は時速782キロメートル、航続距離は2265キロメートルという性能を誇る。主翼の上部にエンジンを配置する独自の設計や、一体成型複合材胴体などホンダの独自技術がふんだんに採用され、2017年には小型ビジネスジェット機として納入数が世界1位となった。
そのホンダジェットは12月7日に国内の型式証明(航空機の型式の設計が安全性および環境適合性の基準を満たしていることを証明するもの)を取得。12月20日にその授与式を行った。ホンダジェットはすでに北米、欧米、中南米、アジア各国で納入を開始していたが、本日の授与式で国内における第一顧客をはじめて発表した。
僕は会場でびっくりして思わず声を上げてしまったのだけれど、その第一顧客はTechCrunch Japanにも度々登場するDrone Fund代表パートナーの千葉功太郎氏だ。ホンダエアクラフトカンパニーCEOの藤野道格氏の話によれば、千葉氏は下のTV CMを観て購入したのだという。藤野氏は「TV CMを観てビジネスジェット機を購入するという例はなかなかない」とコメントしていた。
一方の千葉氏は「毎週日曜日に『イッテQ』を観ているのだが、そのときにホンダジェットのCMがよく流れていて、欲しいなと思ったのがきっかけ」とコメント。すでに練習用の飛行機を1機購入し、飛行練習もしているのだとか。ちなみに、ホンダジェットの価格は日本円にして約5億8000万円と言われている。
千葉氏はホンダジェットの性能について、「風切り音がすごく少ない43000フィートまで上昇でき、すごく安定性もある。ホンダジェットのチームのみなさんの“こだわりの塊”だと感じた」と高く評価。しかし一方で、「航空会社ではなく、個人が気軽に航空機を利用する『General Aviation』を日本で実行するのはまだ難しい。滑走路、航空機の学校などがまだまだ不足している」と日本における個人の航空事情が抱える問題について語った。
じつは、この国内第一号ホンダジェットのオーナーは千葉氏だけではない。千葉氏のほかに、元ライブドア社長の堀江貴文氏、慶応大学発のVCである慶応イノベーション・イニシアティブ代表の山岸広太郎氏など数名が「共同オーナー」としてホンダジェットを所有するという。
その理由について、千葉氏は「General Aviationはもちろん、個人で『ちょっと飛行機を使ってみる』というライフスタイルをインフルエンサーが発信することで、日本の空がもっとオープンになるのではないかと思った」と話した。
千葉氏がDrone Fundで注力するドローン業界にとっても、日本のオープンな空は必須事項。千葉氏らが所有するホンダジェットがその空を実現するための大きな足がかりとなるかもしれない。