今年6月、WWDCの壇上でNianticがポケモンGOのベータ版を披露したことを覚えているだろうか。Appleの新しい拡張現実フレームワークであるARKitを使ってゲームのAR能力を強化したバージョンだ。
その機能がAR+という名前になって、ついに今週公開される(そして長い間留守にしていたポケモンもまもなく登場する)
ポケモンGOには、スマホのカメラを使ってポケモンと実世界を画面で重ね合わせる機能が公開当初からあるが、その実装は比較的シンプルなものだった。利用しているセンサーは端末のジャイロスコープだけで、ポケモンはプレーヤーの前を漂うだけだ。左右に向きを変えて狙いをつけることはできるが、近づいたり遠のいたりしても、ポケモンは一緒に動くだけだ。
この機能はゲームの人気を爆発的レベルにまで高める役目を実にうまく果たしたが、ひとたび自分の裏庭にSnorlax[カビゴン]がいる目新しさに飽きると、かなりはまっているプレーヤーでさえもARモードをオフにした。カメラ不要の非ARモードにすると、バッテリー食いのこのゲームも多少食欲がおさまる —— そして狙いを定めるときにジャイロスコープを気にしなくてよくなるので、ARをオフにするとゲーム自体がほんの少し〈やさしく〉なる。
今週私はNianticの人たちと会い、新しいAR+モードを試す機会を得た。わかったことは以下の通り:
- ポケモンを探すプロセスは変わらない。実世界を歩き回り地図に現れるポケモンをみつけてタップすると遭遇が始まる。
- AR+モードでポケモンに遭遇すると、周囲に気をつけるよう警告が表示される。このゲームには数多くの安全対策が施されている。
- ゲームが平らな地面を見つけると、目の前に背の高い草の株がいくつか現れる(ハンドヘルドのポケモンゲームへの敬意)。草をタップするとポケモンが出てくる。
- ポケモンに近づいて狙いをつけやすくできるようになった。近くに行くほど投げたボールがあたりやすくなる。
- ただし速く動きすぎてはいけない!ポケモンにはどれだけビビっているかを表す小さなアイコンがあり、急いで近づきすぎると逃げていってしまう。
- ポケモンにナナのみ[nanab berry]を食べさせるとプレーヤーの動きに対して鈍感になる。
- ポケモンを驚かすことなく十分近づくことができると「エキスパート・ハンドラー」モードに入る。これで捕獲率が少々高くなる —— 成功すればXPとほしのすなが余計に手に入りやすくなる。
AR+モードでプレイするのは実に楽しい。そしてスマホ画面を凝視しながら、ポケモンを驚かせないようにゆーーーっくりと忍び寄っている自分は、ひどく間抜けに見える。しかし、レアなポケモンの顔を数週間ぶりに見ると、わずかな捕獲率の向上も十分価値があるのかもしれないと思える。
Androidユーザーには悲しいお知らせ。AR+はAppleのARKitエンジンに大きく依存しているため現在はiOSのみだ。NianticはARCore(ARKitに対するGoogleの答え)への対応作業しているかどうか明らかにしていない。
注目の新機能をひとつのプラットフォームのユーザーだけに提供するのはリスキーな選択だ —— 捕獲率やXPの改善につながる機能とあればなおさら。Nianticができるだけ早くこれをAndroidで実現する方法を検討することを願いたい。
そして、ポケモン図鑑の枠をもうひとつ埋めようとしているプレーヤーのために、Nianticはデリバード(サンタ風のポケモンで、Gen2の仲間たちが出てきて以来なぜか姿を隠していた)がホリデーシーズンにあわせて登場することを正式に認めた。もちろんこれは2月にGen2が初登場して以来噂されていたことだが、これで正式になった。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )