ポルシェがモデルや年代で中古車検索できるプラットフォームを米国で立ち上げ

Porsche Cars North America(ポルシェ・カーズ・ノースアメリカ、PCNA)は、顧客がディーラーのネットワークを通じて中古車を探すことができるPorsche Finderという新しいオンラインプラットフォームを立ち上げた。オンラインマーケットプレイス設置に向けた同社の最新の動きとなる。

ポルシェの子会社Porsche Digital(ポルシェ・デジタル)とPCNAが開発した新たなプラットフォームでは、顧客がモデルや年代で車を検索でき、価格や装備、パッケージ、インテリアやエクステリアのカラーでフィルターをかけることもできる。

現在は、新しいPorsche Finderツールを使って中古車もしくは認定中古車を検索できるだけにとどまっている。もしユーザーが探していた、911 GT2 RSやPanamera Turbo Sport Turismo、Macanクロスオーバー、電気自動車Taycanを見つけたら、その車両を扱っているPorscheのディーラーに連絡するよう案内される。

PCNAは、米国中を検索できる機能を構築する以上の目的を持っている。Porsche Finderは、顧客が車両の検索、購入、ローン申し込みの全プロセスを一気通貫で済ませられるオンラインショップを構築するという大きな戦略の一部だ、とPCNAのCEOであるKlaus Zellmer(クラウス・ゼルマー)氏は最近のインタビューで述べていた。

「ポルシェに関するすべてのことができる、シームレスなeコマースエコシステムを用意したい。長期的なビジョンだ」と同氏は述べ「ゆくゆくは顧客が車両を売り買いしたりローンや保険、最終ウェブ署名も完了させられるようにしたい」とも付け加えた。

同社はすでに前進している。昨年10月、パイロットプログラムを通じて新車と中古車のオンライン販売を米国で開始。立ち上げ時、米国内ディーラー192店のうち26店が参加した。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック以来、他のディーラーも次々にこの取り組みに参加している。ゼルマー氏によると、6月までに全米のポルシェディーラーの3分の1がこのデジタルパイロットプログラムに参加する見込みだ。

直接のオンライン販売はするものの、ディーラーネットワークを持たないTesla(テスラ)車のオーナーにとっては、車両を購入するためのデジタルマーケットプレイスを構築することの将来性は明らかだったかもしれない。そして奇異にすら思えたかもしれない。しかしポルシェの顧客にとってはショールームを訪れ、911やCayenneの運転席に座るのは、長く続いてきた購入体験の一部だった。

「新型コロナウイルスが世界を襲い、あらゆる産業を混乱させ、消費者の買い物方法を変える前からポルシェ・デジタルはこの検索プラットフォームに取り組んでいた。「そしてパンデミックによってポルシェのeコマースに向けた動きが確かなものになった」とゼルマー氏は話した。

「デジタル化の動きが我々の事業にとっていかに重要かを明確にしている」と同氏。「直感的な体験を売りにしているブランドであることに誇りに思っているが、と同時に我々はiPadを使って米国で入手できるものの中から車を探したいという顧客の願望を尊重しなければならない」とも述べた。

画像クレジット: Porsche AG/ Photo: Christoph Bauer

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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