Porsche(ポルシェ)が1カ月以上先に公開を予定している電気自動車Taycan(タイカン)には、すでに3万件の予約が入っている。この数字は初年4万台を生産するとしているPorscheの計画を十分支えるものだろう。
この予約3万件という数字は、PorscheのHR責任者であるAndreas Haffner(アンドレアス・ハフナー)氏のドイツの経済紙Handelsblatt(ハンデルスブラット)とのインタビューからBloomberg(ブルームバーグ)が引用したものだ。
Porscheは当初、この電気自動車の初年生産台数を2万台としていた。しかしTaycanに対する関心の高さから計画していた年間生産台数を計画の倍に引き上げた。予約金は2500ユーロ(約30万3000円)だ。
もしPorscheが生産開始初年にTaycan4万台を納車できれば、Porsche 718 Boxster やPorsche 911を含むアイコン的な内燃機関モデルの販売台数を超えることになる。同社は2018年にグローバルで、 Porsche 911を3万5573台、Porsche 718を2万4750台販売した。
それでもTaycanの販売台数は、Cayenne(カイエン)とMacan(マカン)を含むPorscheの他の人気のクロスオーバーとSUVモデルの後を追うことになりそうだ。
Taycanはまた、この業界のニッチ分野を長らく独占してきた人気の高級EVセダンであるTesla Model Sにプレッシャーをかけることになるかもしれない。Teslaは2018年にModel SとModel X合わせて9万9394台を納車した。
Model Sは2012年の生産開始から多くのアップデートを重ねてきたが、フロント部分のルックスをModel Xのようにした2016年4月以来、大きなモデルチェンジは行っていない。
TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は今月はじめに「Model XやModel Sのリフレッシュは予定していない」と語っている。業界では、リフレッシュは小さな変更を意味する。ただ、リフレッシュは大きな再設計ではないが往々にして顕著な変更がある。
当時、マスク氏はTeslaが高級EVセダンとスポーツカーにマイナーな変更を加えるだろうとしていた。そうしたアップデートが行われるにしても、高級EVの購入を検討している人は新しいTaycanを選ぶかもしれない。
Porscheは販売を促進するのに初のEVという目新しさだけに頼っているわけではない。他のインセンティブも用意していて、中でも顕著なのはElectrify Americaが米国中で展開している何百もの公共ステーションで3年間無料で充電できる、というものだ。Electrify AmericaはVolkswagen(フォルクスワーゲン)が排ガス規制不正スキャンダルで米国当局と和解した際に設立した会社だ。
Porscheはまた、同社のディーラーにDC急速充電施設を展開するために追加で7000万ドル(約76億円)投資する。
イメージクレジット: Porsche
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(翻訳:Mizoguchi)