マイアミの投資家8人に聞く、米国最南端のテックハブの展望(後編)

サンフランシスコやニューヨークからの集団脱出が、ここ15年ほどで着実にテックハブへと成長してきたマイアミに大きな影響を与えている。私たちは今、マイアミにとって重要な「瞬間」を目撃しているが、多くの人はこれが一過性のブームではなくテック業界の傾向として定着することを望んでおり、そのために努力している。

1月下旬、SoftBank Group International(ソフトバンク・グループ・インターナショナル)は、マイアミで爆発的に成長しているテック業界を対象とした1億ドル(約104億円7000万円)のファンド設立を発表した。この記事で説明されているように、これはマイアミのテックブームが本物であることを裏付けている。この発表に先立ち、ソフトバンク・グループ・インターナショナルはTechCrunchに次のように語った。「ますます多くのスタートアップが拠点を置くようになり、マイアミは、増加する需要に素早く対応できるハブへと急成長している。新興分野であるエルダーテック(高齢者を対象としたテクノロジー)からバイオテックまで、マイアミは、起業家として商機を探す移民やマイノリティに唯一無二の機会を提供している魅力的な投資市場だ」。

パンデミックが変化を促進した。マイアミの住民たちは、サウスビーチに多くの人材が流入し、ひいては彼らの銀行口座も移動してくることを願いながら、新しい住人を歓迎し、彼らが新生活に慣れることができるようサポートした。TechCrunchは、マイアミの現状と今後の展望について、マイアミを拠点とする投資家にインタビューを行った。

後編では、以下の投資家からのインタビュー回答を掲載する(前編はこちらで読める)。

Kevin Cadette(ケビン・キャデット)氏、Black Angels Miami(ブラック・エンジェルス・マイアミ)、取締役

TC:今後5年間に、マイアミのスタートアップシーンはどのように変化していくと思われますか。

イノベーター、起業家、投資家の各コミュニティが急激な成長を経験して、互いのつながりをより深めていき、マイアミのエコシステムは拡張されていくでしょう。ひとつ言わせてもらえるとすれば、当社ブラック・エンジェルス・マイアミはコミュニティの基盤を固める重要な役割を担うと思います。マイアミやフロリダ州南部を拠点とするエンジェル投資家は現在でも数多くいますが、地域全体の人口増加に伴い、この傾向は今後も続いていくでしょう。ブラック・エンジェルス・マイアミは引き続き、投資機会を盛り立て、Black Angels U(ブラック・エンジェルス・ユー)のプログラムを通して新人投資家を教育し、加えて、ファンドのリミテッドパートナーになる機会を提供していく予定です。

マイアミは多様性に富む街です。エコシステムが成長してもこの多様性を確実に維持するために、多くの組織が積極的に動いています。マイアミのテック業界が現在の姿になるための基礎は何年も前から築かれてきました。例えば、ザ・ナイト・ファウンデーションはエコシステムの中でスタートアップをサポートする組織を牽引してきました。そのようにしてようやく、現在のような基盤ができあがったのです。

私たちが今見ているのは、マイアミが生み出すサクセスストーリーの表面的な部分にすぎません。マイアミは今後5年間に、起業家にとって重要な国内有数の都市として米国全土で認知されていくと思っています。

TC:リモートワークによって、グローバルな労働力が、まるで綱引きのように押し引きされています。つまり、さらに多くの企業がマイアミへ移転してきたとしても、「オフィス」自体が消失してしまうわけですよね。また同時に、マイアミ住民の多くが他の都市に拠点を置く会社のためにリモート勤務で働いていたりすることになります。このような要因は、マイアミのテック革命にどのような影響を与えると思いますか。

リモートワークは既にくすぶっているテクノロジー革命に火をつけるでしょう。快適な生活ができる都市としての評判を確立していることは、リモートワークにおいても大きな強みとなります。誰もがマイアミに移住したいと思っています。他の都心地域と同様に、マイアミ都心部のオフィスは無くなるかもしれませんが、それでも企業はマイアミへ移転してきているのは事実です。マイアミとフロリダ州南部は、仕事と人生のどちらも妥協することなく両立できる場所であることを証明してきました。フロリダ州南部に移転してくる大企業や、そこで創業するスタートアップと地元投資家が増えるにつれて、マイアミのスタートアップシーンはますます力強く成長していくと思います。

TC:マイアミでは(もしくはマイアミ以外でも)、どのような業界に注目していますか。今、マイアミで展開されているビジネスで、投資先として有望だと感じるものは何ですか。

Black Angels Miami(ブラック・エンジェルス・マイアミ)はセクターにこだわりません。また、マイアミに限定することなく、全米各地で、アーリーステージのベンチャー企業を探しています。とりわけ、市場が未成熟で新規参入の余地が大きく、世界中の企業や個人に素晴らしい問題解決法を提案できる成長産業に注目しています。

TC:あなた自身が経験した、もしくは、周囲の創業者が苦戦した、地域特有の課題はありますか。もっと広い意味で言うと、マイアミでの雇用や投資、マイアミへの移住を検討している人は、この都市で事業を営むことについてどのように考えるべきですか。

地元ならではの課題は、この街が提供する最大の好機の1つでもあります。それは、結束が固く、本質的に協調性の高い街という点です。マイアミは協力し合うことが普通になっているコミュニティで、誰かにEメールを送れば返信が戻ってきて、それが正しい道しるべとなる場合が多いです。皆が意識して助け合おうとしており、これが皆にとって上げ潮になっています。誰もがこのコミュニティからサクセスストーリーが生まれるのを見たいのです。ですが、ここで創業する場合は、まだこのコミュニティに属していないことが障害になるかもしれません。マイアミに移住してきたばかりの人には、既に地元のコミュニティに属している人と連絡を取ることをお勧めします。ここに拠点を置き、今までと同じ仕事をオンラインで続けることは簡単なのですが、それでは興味深い機会を得損なうことになります。マイアミのエコシステムは人間関係を重視しており、門戸は広く開放されています。

TC:マイアミの繁栄に最も影響を与えていると思うスタートアップ創業者を何人か挙げていただけますか。投資家、創業者はもちろん、スタートアップのエコシステムを支える役割を担う弁護士、デザイナー、成長株の専門家など、地元住民のみぞ知る注目すべきキーパーソンについて教えてください。   

このエコシステムにはいわゆる「立役者」が数多くいます。私はこの機会に、マイアミのテック業界に多大なサポートを提供し続けているザ・ナイト・ファウンデーションへの感謝の意を述べたい思います。これまで彼らがサポートしてきた人を見れば、ザ・ナイト・ファウンデーションがマイアミのテック業界の基礎を据えるのにどれほど貢献してきたかがわかるでしょう。

Mark Kingdon(マーク・キングドン)氏、Quixotic Ventures(クイクゾティック・ベンチャーズ)、創業者

TC:今後5年間に、マイアミのスタートアップシーンはどのように変化していくと思われますか。

マイアミはここ数年、多様な人々を惹きつけてきました。また、最近になってテック業界や金融業界の企業がさらに増加しました。このように集まってきた人や企業が、単なる寄り集まりであることを超えて、どのように発展していくと思いますか。今後5年間に、マイアミが大企業を生み出せる場所であることを証明するような、注目を集めるイグジットが増えると思います。エコシステムを築くには時間がかかります。数十年かかることもあります。投資家、起業家、スタートアップの社員がマイアミに魅了され、大きな影響力を及ぼすイグジットが行われ、資金が新しいスタートアップへと再利用される。これが好循環です。マイアミは今、アーリーステージの段階にあります。

TC:リモートワークによって、グローバルな労働力が、まるで綱引きのように押し引きされています。つまり、さらに多くの企業がマイアミへ移転してきたとしても、「オフィス」自体が消失してしまうわけですよね。また同時に、マイアミ住民の多くが他の都市に拠点を置く会社のためにリモート勤務で働いていたりすることになります。このような要因は、マイアミのテック革命にどのような影響を与えると思いますか。

リモートワークはマイアミでも重要なトレンドです。ここは既にラテンアメリカにとって主要なハブになっており、今後も大きく拡大していきます。その重要性を増しています。ニューヨークからのアクセスも便利で、自分自身がまさにそうなのですが、ニューヨークから南部へ移住してきて、その後もニューヨークとマイアミの間を頻繁に行き来している人が多くいます。

TC:マイアミでは(もしくはマイアミ以外でも)、どのような業界に注目していますか。今、マイアミで展開されているビジネスで、投資先として有望だと感じるものは何ですか。

eコマースとeコマースのイネーブルメントに注目しています。注目する分野はあえて絞り込むようにしています。ガッツがあって、決断が早く、優れたアイデアを持ち、できればいくらかのトラクションを獲得している創業者は有望だと思います。Sktchy(スクッチー)にはガッツと決断力がありますね。

TC:あなた自身が経験した、もしくは、周囲の創業者が苦戦した、地域特有の課題はありますか。もっと広い意味で言うと、マイアミでの雇用や投資、マイアミへの移住を検討している人は、この都市で事業を営むことについてどのように考えるべきですか。 

雇用が今の課題だと思います。求職者の動き方がニューヨークとは異なります。金曜日に求人広告を出せば月曜日には応募者が10人集まる、ということはありません。マイアミでは採用までに時間がかかります。この課題に対処することは可能ですが、どんな人材が必要なのかを創業者が早期に特定し、主要なポジションの採用プロセスにはより時間がかかることを創業者が理解していることが前提になります。

TC:マイアミの繁栄に最も影響を与えていると思うスタートアップ創業者を何人か挙げていただけますか。投資家、創業者はもちろん、スタートアップのエコシステムを支える役割を担う弁護士、デザイナー、成長株の専門家など、地元住民のみぞ知る注目すべきキーパーソンについて教えてください。   

非常にたくさんの名前が思い浮かびますね。それがマイアミの素晴らしいところです。このコミュニティは大変友好的で、新しく移住してきた人のために時間を割くことを厭いません。これはとても素晴らしいことで、私は今までに経験したことがありませんでした。マイアミへ溶け込むのを手助けしてくれた人々の名前をいくつか挙げるとすると、Nico Berardi(ニコ・ベラルディ)氏、Juan Pablo Cappello(ジョアン・パブロ・カペッロ)氏、Melissa Krinzman(メリッサ・クリンズマン)氏、Matt Haggman(マット・ハッグマン)氏、Raul Moas(ラウル・モア)氏、Jesse Stein(ジェシー・ステイン)氏です。マイアミ・エンジェルスの役員として、私、Melissa Krinzman(メリッサ・クリンズマン)氏、Juan Pablo Cappello(ジョアン・パブロ・カペッロ)氏、Raul Moas(ラウル・モア)氏、Nico Berardi(ニコ・ベラルディ)氏、Tigre Wenrich(ティグレ・ウェンリッチ)氏、Marco Giberti(マルコ・ギバルティ)氏はマイアミを拠点とする50以上の企業に投資しています。このマイアミ・エンジェルスの役員会は非常に良いコミュニティで、他にも36以上の企業に投資しています。マイアミ・エンジェルスは新しい投資家をこのエコシステムに惹きつけ、彼らと地元コミュニティとをつなぐ点で、重要な役割を果たしてきたと思っています。

Ana González(アナ・ゴンザレス)氏、500 Startups(ファイブハンドレッド・スタートアップス)、パートナーファンド最高責任者

TC:今後5年間に、マイアミのスタートアップシーンはどのように変化していくと思われますか。

マイアミがこの地域の、さらには世界的なスタートアップハブになるための、唯一無二の機会が開かれています。マイアミは、公共部門や民間企業が何年にもわたって投資してきたエコシステムの基礎を足がかりにしてさらに成長し、世界にアピールできる独自性やブランドを形作っていくことことでしょう。コアとなる強みをさらに強化し、成長する見込みのある新たなアセットを特定できます。多様性に富む人材が充実しており、地理的に恵まれた場所に位置する上、素晴らしいクオリティ・オブ・ライフや優遇税制の恩恵を享受できます。この街にはまた、ヘルスケア、物流、輸送業、フィンテック、ブロックチェーン、仮想通貨など、強力な存在感を放ち、世界規模で拡大している成長産業があります。クライメートレジリエンス(気候変動の影響からの回復力)やスマートシティ、サステナビリティなどは、マイアミの未来を担う新しい産業です。

TC:リモートワークによって、グローバルな労働力が、まるで綱引きのように押し引きされています。つまり、さらに多くの企業がマイアミへ移転してきたとしても、「オフィス」自体が消失してしまうわけですよね。また同時に、マイアミ住民の多くが他の都市に拠点を置く会社のためにリモート勤務で働いていたりすることになります。このような要因は、マイアミのテック革命にどのような影響を与えると思いますか。

2020年のパンデミックは、その前の数年間に台頭してきたトレンドを加速させたにすぎません。人々は以前よりもっと、勤務先の所在地に関係なく住む場所を選択できるようになりました。マイアミはこの流れの先端かつ中心に位置しています。この街では極めて高いクオリティ・オブ・ライフを楽しめることに気づく人が増え続ければ、移住してくる人や、さらに良いことに、定住するためにマイアミで起業する人が増えるでしょう。これは、ひいてはこの地の人材の質と密度を強化し、マイアミが生活と仕事の両面でますます魅力的になるという好循環を生み出します。新型コロナウイルス感染症のワクチンによって、会議やイベントを再び対面で開催できるようになっても、私たちは皆、(オンラインと対面の)ハイブリッド型という新しい方法で対人関係を築き、営業活動を行い、生活全般を営んでいくことを学ばなければならないでしょう。そういう意味では、マイアミは優れた革新者です。例えば、安全かつ興味深い方法で鑑賞できる斬新な野外劇場システムが既に導入されています。

TC:マイアミでは(もしくはマイアミ以外でも)、どのような業界に注目していますか。今、マイアミで展開されているビジネスで、投資先として有望だと感じるものは何ですか。

ファイブハンドレッド・スタートアップスでは、今までにないソリューションを考え出し、業界の明日を作っていくテック系シードステージのスタートアップを支援し、投資しています。分野は特に限定していません。マイアミでは、フィンテックやヘルスケア、輸送業や物流などの業界の成長に注目しています。コロナ後の世界でセキュリティ、旅行・宿泊、金融サービスなどの分野において必要になる非接触ソリューションを開発しているスタートアップもあります。

TC:あなた自身が経験した、もしくは、周囲の創業者が苦戦した、地域特有の課題はありますか。もっと広い意味で言うと、マイアミでの雇用や投資、マイアミへの移住を検討している人は、この都市で事業を営むことについてどのように考えるべきですか。

マイアミの創業者は、アーリーステージ期の資金調達(エンジェル投資からシードラウンド、プレシリーズAラウンドを含む)と、特にエンジニア、グロースマネジメント、プロダクトマネジメントの役割を担える優れた人材の確保に苦労することが多いようです。新しいエコシステムの発展途上時にはよく見られる現象です。でもマイアミの場合は、発展が速いスピードで進んでいて、人材と出資者が次々と移住してきているので、これからが楽しみです。

マイアミが特に優れている点は、他のエコシステムとの結びつきです。ラテンアメリカとは以前から深いつながりがありましたが、今ではベイエリアやニューヨーク、ヨーロッパとも、ラテンアメリカ以上に密接につながっています。そのため、より多くの企業が、マイアミで事業を営みつつ、グローバルなネットワークを活用して、求める人材、資本、参入市場を見つけられるようになっています。

TC:マイアミの繁栄に最も影響を与えていると思うスタートアップ創業者を何人か挙げていただけますか。投資家、創業者はもちろん、スタートアップのエコシステムを支える役割を担う弁護士、デザイナー、成長株の専門家など、地元住民のみぞ知る注目すべきキーパーソンについて教えてください。   

マイアミでは、非常にたくさんの優れた人々が見事な仕事をしています。素晴らしいのは、ここの人々は純粋に、すべての人の役に立つものを築こうとしていることです。まずは以下の方々の名を挙げたいと思います。

Refresh Miami(リフレッシュ・マイアミ)のMaria Derchi(マリア・デルチ)氏、Beacon Council(ビーコン・カウンシル)のMatt Haggman(マット・ハッグマン)氏 、Knight Foundation(ナイト・ファウンデーション)のRaul Moas(ラウル・モア)氏、Miami Angels(マイアミ・エンジェルス)のRebecca Danta(レベッカ・ダンタ)氏、そしてThe Lab Ventures(ザ・ラボ・ベンチャーズ)のTigre Wenrich(ティグレ・ウェンリッチ)氏です。

Tom Wallace(トム・ウォレス)氏、Florida Funders(フロリダ・ファウンダーズ、タンパ)、マネージング・パートナー

TC:今後5年間に、マイアミのスタートアップシーンはどのように変化していくと思われますか。

ここ数か月の間に、成長著しいマイアミのテックコミュニティに関する数多くの話題が報じられましたが、マイアミとフロリダ州全体をテックハブへ変貌させようという計画はここ数年継続して行われてきた取り組みです。テックのロジーエコシステムを形成するのに必要なものは、人材と資金の2つに集約されます。フロリダには以前から多くの資本がありましたが、カリフォルニアやニューヨークとは異なり、そのほとんどはテック業界を源泉とするものではありません。

しかし、実際にフロリダで素晴らしいユニコーン企業のいくつかが成長し売却されたことが、エコシステムを有機的な成長を促しました。ユニコーン企業が現金化されると、数多くの億万長者が新たに生まれます。そして、その億万長者たちがまた自身の事業を創業するのです。シリコンバレーのHP(ヒューレットパッカード)、シアトルのMicrosoft(マイクロソフト)、 オースティンのDell(デル)などのように、テクノロジーエコシステムはこのようにして築き上げられていくものです。ですから、マイアミとフロリダ全体は今後5年で全米有数のテクノロジーエコシステムになる可能性を秘めています。 

TC:リモートワークによって、グローバルな労働力が、まるで綱引きのように押し引きされています。つまり、さらに多くの企業がマイアミへ移転してきたとしても、「オフィス」自体が消失してしまうわけですよね。また同時に、マイアミ住民の多くが他の都市に拠点を置く会社のためにリモート勤務で働いていたりすることになります。このような要因は、マイアミのテック革命にどのような影響を与えると思いますか。

当社がリモートワークのトレンドから恩恵を受けていることに疑問の余地はありません。当社はずっと以前から、この地に優秀な企業を設立するために動いてきました。マイアミでの生活は非常に快適ですので、人に勧めるのに困ったことはありません。リモートワークへの移行は、マイアミ以外の場所にある企業に勤務するスマートな人たちがマイアミへと移り住むトレンドを加速させています。そのような人たちは、ゆくゆくはマイアミで起業したり、マイアミの地元企業に転職したりするでしょう。

また、私はオフィスが完全になくなるとは考えていません。Blackstone(ブラックストーン)やGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)のようにマイアミやフロリダ州に移ってきた企業の事例を見ると、そのような企業は手頃な面積のオフィスを設けていることがわかります。オフィスの在り方は永久に変わり、多くの企業では引き続き自宅からのリモートワークが可能となるでしょう。ですが、Zoom(ズーム)で代替することのできない、対面的な要素を持つ仕事も常に存在します。特に、アーリーステージのテック企業にはこの種の仕事が確実にあると、私は考えています。実りのある会話や技術革新のためには、チーム全員が1つの部屋に集まり、ホワイトボードを使いながら問題の解決方法を模索するのが一番です。

TC:マイアミでは(もしくはマイアミ以外でも)、どのような業界に注目していますか。今、マイアミで展開されているビジネスで、投資先として有望だと感じるものは何ですか。

(マイアミが)ラテンアメリカへの架け橋である点が、圧倒的な訴求力を持っているとフロリダ・ファウンダーズでは考えています。ラテンアメリカのテック市場はまだアーリーステージの初期段階なのですが、マイアミはラテンアメリカの企業が米国に進出する際の窓口となっていて、そのまた逆も然りです。物流やマイクロレンディング(小口融資)のプラットフォームには非常に興味をそそられます。私が本気で注目し始めている2つ目の分野はフィンテックです。ゴールドマンサックスやブラックストーンなどの大手金融企業がマイアミにオフィスを構えたことで、革新的なフィンテック企業も彼らの後に続くことでしょう。

TC:あなた自身が経験した、もしくは、周囲の創業者が苦戦した、地域特有の課題はありますか。もっと広い意味で言うと、マイアミでの雇用や投資、マイアミへの移住を検討している人は、この都市で事業を営むことについてどのように考えるべきですか。

人材、特にテックの発展に寄与する人材はフロリダでは常に不足していました。現在はリモートワークの増加に伴い、より良い人材が見つけやすくなっています。しかしながら、まだ先は長いと思います。ボストンやシリコンバレーのようなエコシステムには世界レベルの教育機関があり、優秀なテック人材を輩出しています。私の出身地であるピッツバーグですら、そうです。フロリダ州にはそのような教育機関がまだありません。ただ、University of Florida(フロリダ州立大学)とFlorida Polytechnic Institute(フロリダ州立工科大学)が教育関連の優れた取り組みを新しく始めることにより、人材不足を補おうとしています。

TC:マイアミの繁栄に最も影響を与えていると思うスタートアップ創業者を何人か挙げていただけますか。投資家、創業者はもちろん、スタートアップのエコシステムを支える役割を担う弁護士、デザイナー、成長株の専門家など、地元住民のみぞ知る注目すべきキーパーソンについて教えてください。   

フロリダ・ファウンダーズがフロリダ州での資金調達の面で重要な役割を果たしていることを、この場を借りてお伝えしたいと思います。マイアミには、コワーキングスペースのCIC(シーアイシー)や最新のMana Development(マイアミのダウンタウン地区開発プロジェクト)のような、物理的にスタートアップハブになった素晴らしい場所がいくつもあります。また、当社が依頼している法律事務所Greenberg Traurig(グリーンバーグ・トラウリグ)、特にパートナー弁護士のJaret Davis(ジャレット・デイビス)氏は、何年にもわたりコミュニティの支援に尽力してくださっています。

カテゴリー:VC / エンジェル
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(文:Marcella MaCarthy、翻訳:Dragonfly)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。