Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月23日、サンフランシスコで開催されているGame Developers Conference(GDC)において「Azure Game Development Virtual Machine」をローンチしたことを発表した。Unreal Engine、Perforce Helix Core、Parsec、Incredibuild、Blender、HPのリモートデスクトッププラットフォームTeradiciなどとの提携により、Microsoftのクラウドプラットフォームは、数分でセットアップできるゲーム開発ワークステーションをクラウド上で提供するようになった。この新しいVMは現在、パブリックプレビューが開始されている。
Microsoftによれば、ゲームスタジオは、デフォルトで構築されたワークステーションからスタートし、これをベースイメージとして、Azureの使い方に習熟するにつれてカスタマイズしていくことができるという。また、同社は、この最初のイテレーションをベースに、時間をかけて新しいツールを追加し、パートナーネットワークとの統合を深めていく予定だ。
Microsoft Azure担当主席ソフトウェアエンジニアのBen Humphrey(ベン・ハンフリー)氏は、23日の発表でこう述べている。「Microsoftでは、ゲームクリエイターにとってAzureが最適の選択肢となり、クラウドの利点を活用していただけるよう、取り組みの強化に注力しています」。
この開発ワークフローの中核となるのが、バージョン管理システム「Perforce Helix Core」と、デフォルトのCI/CDソリューション「Azure DevOps」である。
Microsoftは、このようなシステムがあれば、 分散型ゲーム開発チームの仕事がいっそう便利になると主張している。特化したローカルハードウェアが不要になるだけでなく、チームが一元化されたサーバーから作業することが可能になるからだ。
新しい仮想マシンに加えて、MicrosoftはGDCの発表で、プラットフォームに依存しないAzure PlayFabサービスの新機能を発表した。新しいリアルタイム通知、マルチプレイヤーセッションを管理する新しい「PlayFab Lobby Service」、さらにそのまんまなネーミングで「PlayFab User Generated Content」と呼ばれる、ユーザー作成コンテンツをゲームに統合する新サービスも発表している。
ネーミングについてさらに話すと「ID@Azure」はエンタープライズグレードのID管理システムのように聞こえるかもしれないが、これは「クラウドでゲーム開発を加速させる」ための同社のプログラムで、本日ベータ版が公開された。これは無料のプログラムで、ゲーム開発者は例えばPlayFabの無料プランにアクセスできる他、追加のサポートやツールにアクセスできる。
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Den Nakano)