Power Automateは、企業における反復の多い作業のワークフローを効率化することを目的とするMicrosoft(マイクロソフト)のプラットフォームだ(以前のMicrosoft Flow)。こうしたRPA(ロボット化によるプロセスオートメーション)ツールの市場は現在活況を呈しており、マイクロソフトがこの分野の強化に力を入れるのは驚くにあたらない。数カ月前、マイクロソフトのチームはSoftomotiveを買収し、同社のテクノロジーでPower Automate Desktopを立ち上げた。これは、ユーザーがレガシーのデスクトップアプリケーションのワークフローを自動化するのを助ける。
今回のニュースの目玉(Microsoftリリース)は、マイクロソフトがProcess Advisorという新ツールをプレビュー公開したことだ。これは業務のさまざまなアクティビティを可視化するプロセスマイニングツールの一種だ。デベロッパーと業務のユーザーが協力して自動化プロセスを作成できるコラボレーション環境が提供される。
業務を実施している企業は、特定のプロセスがどのように機能するのか最もよく知るユーザーだ。デベロッパーはオートメーションの専門家であっても特定企業における特定業務プロセスの詳細は知らない。Process Advisorを使用すると、たとえば払い戻し処理にあたってどんな活動が行われたかログを取得してデベロッパーに送信できる。
同様に重要なのはこのシステムが既存プロセスのボトルネックを特定できる点だ。その部分を自動化することにより既存のワークフローを大幅にスピードアップすることができる。
マイクロソフトのローコードアプリケーション担当コーポレートバイスプレジデントのCharles Lamanna(チャールズ・ラマンナ)氏は取材に答えてこう述べている。
Power Platformについて以前から強調してきたことに戻りますが、困難な作業ですが開発はチームの努力だという点です。これがマイクロソフトの努力の焦点の1つです。デベロッパーとビジネスの現場は通常、接点がありません。こうした人々の間にコラボレーションできる環境を作り、スムーズに共同作業できるようにすることが目的です。ロボットを構築して自動化を行う専門家と、毎日プロセスを実行するビジネスユーザーを実際に結び付けることがオートメーションに素晴らしい結果を産みます。
このツールはPower Automateのバックエンドで作動し、ユーザーが何をどのように使っているか、あらゆる操作を正確にキャプチャーする。次にこの情報はすべてクラウドにアップロードされる。払い戻しのような単純な作業であれば動作を5〜6回記録するだけでPower Automateのシステムはプロセスをマッピングできる。ワークフローが複雑、特異である場合にはプロセスを構築にあたって何度も記録を得ることが必要になる場合もある。
ラマンナ氏が指摘するように、企業がワークフローとプロセスマップを構築することは自動化のROI(投資効果)を正確に把握するのにも役立つ。
ワークフローマップは自動化を構築するために必須ですが、各ステップでどのくらいの時間がかかった把握し、各自動化のROIを把握するのにも役立ちます。Process Advisorは、今後登場するこれらすべてのローコード / ノーコードテクノロジに採用される最も重要なエンジンの1つになると考えています。企業はリソースを振り向ける価値がある箇所、つまスタッフをトレーニングし、アプリを構築し、AIを利用する価値がある作業を特定できます。効率化を要する部分がわかれば引き続きPower Automateを利用してプロセス・ロボット化していくことができます。
ラマンナ氏は、これをマーケティングにおいてROI(投資効果)を初めて定量化できるようになったデジタル広告の出現に例えた。
PowerAutomateのプロセスマイニング機能は現在プレビュー版として利用できる。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)