Microsoft(マイクロソフト)は米国時間7月27日の取引開始直後に、2021年第2四半期に相当する会計年度2021年第4四半期の決算を発表した。売上高は462億ドル(約5兆767億円)、純利益は165億ドル(約1兆8131億円)、1株あたり利益は2.17ドル(約238円)だった。売上高は前年同期比21%増だったが、純利益はさらに魅力的な同47%増だった。
同社の決算内容は予想を上回った。Yahoo Financeのレポートでは売上高は441億ドル(約4兆8460億円)、1株あたり利益は1.90ドル(約208円)を予想していた。決算発表後、Microsoftの株価は下落した。おそらく、いわゆるウィスパー・ナンバー(非公式の1株あたり利益予測業績予測のこと)を欠いていたためだろう。Microsoft株はこのところ上場来高値で取引されていたこともあり、時間外取引で3%下落している。テック株の同日の通常時間内での取引は全般的に弱く、Microsoftは企業価値を1%弱減らした。
同社は非常に大きな会社であり、今回のトップレベルの決算はわかりづらい。詳細をさらに見てみよう。
まず、同社のクラウドコンピューティングプラットフォームであるAzureの売上高は前年同期比51%増となった。同社によると、通貨の変動を除くとこの数字は45%になるとのことだ。初期分析では、51%という成長はAzureに関するものとしては会計年度2020年第3四半期(2020年第1四半期)以来、最高となった。
そうした観点から、Azureの過去3カ月の成長はほとんど文句のつけようがない。
残りの部門の主要3部門の売上高の成長は以下の通りだ。
- インテリジェント・クラウド:30%増、部分的にはAzureの成長によって押し上げられた
- プロダクティビティとビジネスプロセス:21%増、LinkedIn(46%増)とDynamics 365 CRMプロダクト(49%増)が牽引
- パーソナル・コンピューティング:9%増、検索(53%増、トラフィック獲得コストを除く)が牽引
Microsoftの売上高レビューで弱点を見つけるのは難しい。消費者向けOfficeの売上高は18%増え、これはどちらかというとやや控えめな数字だ。Windows OEMの売上高は3%減、Surfaceの売上高は20%減だった。
しかしそうした取るに足りない数字は、同社の全体的な成長像と巨大な収益性を踏み潰すには十分ではなかった。Satya Nadella(サティア・ナデラ)氏の会社はどれくらい儲かっているのか。Microsoftは自社株買いで104億ドル(約1兆1425億円)を費やし、直近の四半期に割り当てた。正直にいうと、いくぶん紛らわしい金額だ。そしてこの点について、なぜMicrosoftが自社株を買い戻すのか我々は少し困惑している。同社の時価総額は2兆ドル(約219兆7330億円)を少し上回り、同社がかなりの費用をかけて徐々に株式の数を減らすことができることをせいぜい意味するくらいだろう。もちろん、もっといい金の使い方はあるはずだ。
にもかかわらず、同社の決算内容は、驚くほど巨額で儲けの多い決算内容となった巨大テック企業の最近の勢いがまだ終わっていないことを示している。これは広範にはテック企業に対する信頼を投資家に与えるのに役立つかもしれない。スタートアップにとって悪いことではないだろう。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Microsoft、決算発表、Microsoft Azure
画像クレジット:NICHOLAS KAMM / Getty Images
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi)