マイクロ&ロボ投資のAcornsが人員削減とオフィス縮小へ、かつてない成長の裏で何があった?

TechCrunchは複数の情報源から、何百万もの人々に「お釣り」を株式市場で運用する手段を提供するAcorns(エイコーンズ)が50〜70人を解雇したとの情報を入手した。

カリフォルニア州アーバインに本拠を置く同社は解雇人数を明らかにしていないが、事業環境が大きく変化したために削減に至ったことは認めた。

このニュースは、Acornsが米国5月24日の週の初め、同社の4拠点のうちポートランドオフィスを閉鎖した数日後に飛び込んできた(Business Journals記事)。ポートランドの従業員に対しアーバイン本社に移転する機会を提供したものの、移転の一環で消えたポジションもあったと同社は明かした。

解雇された従業員は主にAcornsのサポートチームのメンバーだ。内部人員の削減はTaskUsとの提携と関係がある。TaskUsは顧客対応の受託などにより企業のビジネスニーズをサポートする。Acornsは来年、約80のポジションをTaskUsへの外注で補う予定で、それによりサポートチームはむしろ拡大する。

社内のAcornsサポートチームは電話による顧客対応に従事し、外注チームはメールサポートを行う。Acornsは、サポートチームの他にも社内のさまざまなチームで数名削減した。

新型コロナウイルスが新しいユーザーを投資と貯蓄の世界に引き込み、Acornsはかつてない成長を遂げた(未訳記事)。同社は最近、登録者700万人を達成し、底を打った市場からトレーディングアプリが恩恵を受ける傾向が続いている。

同時にAcornsは、ビジネス向けプロダクトとしても成り立つようユーザーの支出を対象とするデビットカードも発行した。決済はいま取り組むには危険な領域だ。なぜなら外出禁止令のため消費者の支出が急減しているからだ。現時点では、同社の弱点になる可能性がある。5月29日には、Brexが62名のスタッフを解雇した。ベンチャーキャピタルから1億5000万ドル(約160億円)を調達した1週間後だ。

巨大な成長機会に直面しているAcornsのような企業が解雇する必要があるのはなぜか。いま調子が良くても、パンデミックと長期不況の恐れが、企業に資金の使い道を再考するよう強いている。Acornsの場合、来年は現在よりも従業員数が増えているだろう。だが、少し深く掘り下げて、仕事を外注しオフィスを閉鎖するという選択が意味するのは、成長するためにはスリム化が必要だということだ。

Acornsの投資家には、PayPal、DST Global、楽天、Greycroft、Bain Capitalが名を連ねる。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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