2014年6月からミクシイの代表取締役を務めていた森田仁基氏が同職を退任することが明らかとなった。同社は2月27日15時に本人事を開示し、森田氏の退任(6月開催の株主総会、取締役会を経て正式に決定)と11人の執行役員の選任を発表した。
ミクシイはこの人事の理由として、「今後新たな成長戦略を描き、推進していくためには、経営体制を一新することが望ましいと判断」したとしている。森田氏の後任として選任されたのは、ミクシイが提供する人気スマホゲーム「モンスターストライク」事業を手がけ、現在はゲームスタジオ「XFLAG」の事業本部長を務める木村弘毅氏だ。
森田氏の在任中にあたる2015年3月、ミクシイはチケット売買仲介サービスの「チケットキャンプ」を運営するフンザを買収した。だが同社は2017年12月、そのフンザが商標法違反および不正競争防止法違反の容疑で捜査当局から捜査を受けていることを発表。ミクシイはその後にチケットキャンプの事業終了と関係者の処分を決定していた。
その一方で、2013年9月にリリースしたモンスターストライクが大ヒットしたこともあり、2014年3月期には約121億円だったミクシイの売上高は、2017年3月期の決算では2071億円に急伸。最終損益も約2億2000万円の赤字から598億円の黒字へ転換するなど、森田氏の任期中にミクシイが業績面で飛躍を遂げたのも事実だ。
なお、TechCrunch Japanには、森田氏が社員に向けて発信したとされるメールの内容が読者から匿名で寄せられている。編集部では複数のミクシィ関係者に確認して、それが社内でも配信されたものだという証言を得ている。
その中で森田氏は「チケットキャンプの件に関しては、事業を正しく導けなかったこと、そのことによる損失を出してしまったことに経営トップとして責任を感じており、それが退任のひとつの決断理由ではある」とした上で「それはあくまで理由のひとつで、今ミクシィが置かれている状況を冷静に考えると、新たなミクシィの飛躍には新しい体制で行っていくのがベストだと思っています」とコメントしている。