メキシコのプライベートシャトルサービスUrbvanが10億円調達

新興市場の都市が、交通渋滞のためにますます危険となっている道路と格闘する中、メキシコで民間の高級輸送シャトルを提供するスタートアップUrbvan(アーバン)が、新ラウンドで900万ドル(約10億円)を調達した。

Joan Matos Albino(ジョアン・マトス・アルビノ)氏とRenato Picard(レナート・ピカード)氏が共同で創業したUrbvanは、今はなきChariotのようなスタートアップの後を受け継いで、新興市場のエコシステムのニーズに合わせてビジネスを作り上げている。

ポルトガル出身のアルビノ氏は、Rocket InternetのスタートアップであるLinioの従業員としてメキシコシティにやって来た。Linioは長続きしなかったが、アルビノ氏はメキシコに留まり、最終的にはスタートアップのMelcadoniで働き始め、そこでピカード氏と出会った。

2人は、ChariotがY Combinatorからローンチされた当初の成功を見ていたが、インドのスタートアップであるShuttlのような会社も追いかけていた。

「我々は共有モビリティを、よりアクセスしやすく、少しだけ効率的にしたかった」とアルビノ氏は言う。「我々は経済学を研究し、市場も研究した。そして渋滞のひどいラテンアメリカの都市には緊急に対応する必要があることも知った」。

公共交通機関が比較的安全で効率的であると考えられている米国、特にサンフランシスコやニューヨークなどの主要都市とは異なり、メキシコシティの都市環境は、Urbvanの主要顧客であるホワイトカラー労働者からは安全でないと見られている。

同社は2016年に営業を開始した。当時はリースで調達した5台のバンを改造して、Wi-Fiなどのアメニティを用意し、限られた数の乗客に十分なスペースを提供していた。その頃に比べると、同社の規模は大幅に拡大した。現在、月間ユーザーは1万5000人、バンの台数は180台とのことだ。

アルビノ氏によると、Urbvanは安全性と快適性を最優先している。同社はメキシコシティのWeWork、Walmartその他の小売業者と提携し、ルート上のすべての停留所の安全を確保している。 また、バンの台数が増えるに伴い、ドライバーをしっかりと調査するとともに、ドライバーに追加のトレーニングを提供している。

各バンには、監視を強化するためパニックボタンとカメラが内外に装備されている。

顧客は、チケットごとに3ドル払うか、100〜130ドルの月間パスを購入する。

同社はKaszek VenturesとAngel Venturesから資金調達し、ここには以前からの投資家であるMountain Nazcaも参加した。

Shuttlのオペレーションを視察するためにインドを訪問したアルビノ氏は、この手のサービスの世界の市場規模は非常に大きいため、各地域で多くの勝者が生まれると見ている。

「都市はそれぞれ異なり、サービスは各都市にあわせて変える必要がある。テクノロジーは都市の問題に適応させなければならず、それが可能な場合は付加価値がつく」とアルビノ氏は語る。「インドの市場はラテンアメリカとは全然違う。渋滞の多い巨大な市場だ。しかし、バリュープロポジションは(Shuttlにとって)もう少し基本的なものになる」。

Urbvanは現在、メキシコシティとモンテレイでサービスを展開しているが、今年後半にグアダラハラにも進出する予定だ。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。