自動車業界のみならず、通信業界やIT業界の企業もこぞって注目する「自動運転」。また新たに1社、IT業界の雄がこの領域に本腰を入れることが明らかになった。3月24日、ヤフーはソフトバンクは自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化を目指すSBドライブへ出資したと発表した。出資金額はヤフーが約4.9億円、ソフトバンクが約1.9億円。ソフトバンクについては追加出資となり、累計の出資額は約5.1億円に上る。
SBドライブは、ソフトバンクと自動運転技術を研究・開発する先進モビリティの合弁会社として2016年4月に設立された企業だ。これまでも両社やヤフーの協力を受け、自動運転技術を活用した路線バスといった地域公共交通サービスや、大型トラックの隊列走行による輸送効率化などに取り組んできた。2016年に北九州市、浜松市、鳥取県八頭町、長野県白馬村とスマートモビリティーに関する連携協定を締結しており、2018年度後半には公道での完全自動運転による実証実験を計画している。
以前からSBドライブに協力をしてきたヤフーだが、今回の出資により自動運転分野に本腰を入れる形になる。今後は「Yahoo!地図」などの既存サービスとの連携や、自動運転車を通じて取得できるビッグデータをYahoo! JAPANサービスで活用することで、地域や移動に関するユーザーの課題を解決する「UPDATE MOBILITY」の実現を目指していくという。
ヤフーに限らず、国内でもIT系の大手企業が続々と自動運転を含むコネクテッドカーの領域に参入していることは、TechCrunch Japanの読者のみなさんならすでに知っているだろう。
たとえば2015年5月にZMPと合弁会社「ロボットタクシー」を設立し精力的に自動運転車開発に取り組んでいたDeNAは、2017年1月にZMPとの提携を解消。新たに日産とタッグを組み、2017年内に日産製の自動運転車両を用いた技術的な実証実験の開始、2020年までに無人運転による交通サービスプラットフォームの検証を目標に掲げている。
2017年3月にクラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表し注目を集めたLINEに関しても、タクシー配車アプリ「LINE TAXI」を提供しているし、親会社である韓国NAVERが手がける自動運転車はすでにレベル3の段階にあるという。