ヤフーがベトナムに開発子会社、アジアで「20年後の開発体制」構築へ

3998449040_cff954c898_b

ヤフーがベトナム ホーチミンシティに100%子会社の現地法人を設立する。同社が東南アジアに開発拠点を立ち上げるのはこれが初となる。現地法人の名称は「Techbase VietNam Co., Ltd」。6月の設立予定で、資本金は1億5000万円。代表にはヤフーの白川健一氏が就任する。

ヤフーではこれまでも協力会社を通じてベトナムでのオフショア開発を進めている。ベトナムでの開発は、(コミュニケーションコストは別として)日本の約3分の1程度のコストで開発可能で、実際その開発範囲も「Yahoo!ショッピング」や女性向け情報サイトの「TRILL」のほか、スマートフォンアプリなど幅広い。人数も、3月末時点で50人近くの規模になっているそうだ。

だが協力会社である以上、ヤフーとしては開発環境のすべて公開できるわけでなく、委託できる業務の範囲も限られてしまう。テスト1つとっても、ヤフー側と協力会社側のそれぞれに環境を用意して、それぞれ確認を行うなんていう手間がかかるのだそうだ。そこで今回、現地に子会社を設立。開発環境も可能な限り共通化してサービスやソフトウェアの開発を進めるという。

20年後の開発体制を作る

「日本の人口を見ると、20年後には20歳男性だけを比較しても30%の減少が予測されている。であれば理系・エンジニア志望の採用を国内で考えるのは大変になる。その際にアジアで高品質な開発ができるようにしたい」。白川氏は子会社設立についてこう語る。

もちろん社内的な撤退基準はあるが、「オフショアのコストは年間10%程度で上昇している。かといって「コストが日本の○○%になったらやめる』といった考えではない。むしろ20年後に日本のエンジニアが3割減っても開発できる体制を作りたい」(白川氏)とのこと。今後ベトナムでの子会社運営が軌道に乗れば、アジア圏に複数の拠点を立ち上げることも検討する。

photo by
M M

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。