Facebook(フェイスブック)のコンテンツと収益化ポリシーに対する広告主の反発が拡大を続けている。
米国時間6月25日、TechCrunchの親会社であるVerizon (ベライゾン)は、「『我々の納得がいく、さらにTwitter(ツイッター)などのほかのパートナーとの我々の同意内容と一貫性のある解決策をFacebookが提示するまで』、FacebookとInstagram(インスタグラム)に出している広告を一時差し止める」と話した(The Verge記事)。
そして6月26日、一般消費財の大手Unilever(ユニリーバ)もこれに加わり、米国内のFacebookおよびInstagram、さらにはTwitterに出しているすべての広告を、少なくとも今年いっぱい停止すると話した。
「現在米国が抱えている二極化問題と、今年の大統領選挙を踏まえ、ヘイトスピーチの領域には極めて厳重な取り組みが必要です」とユニリーバのグローバルメディア担当上級副社長Luis Di Como(ルイス・ディ・コモ)氏はWall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)に語った。
Facebookに対して広告主から圧力をかける取り組みは「#StopHateforProfit」(営利目的のヘイトを阻止しよう)キャンペーンから始まった。これは、Anti-Defamation League(名誉毀損防止同盟)、NAACP(全米黒人地位向上協会)、Color of Change(カラー・オブ・チェンジ、公民権擁護団体)、Free Press(フリープレス、メディアの民主主義を擁護する団体)、 Sleeping Giants(スリーピング・ジャイアンツ、リベラル派のソーシャルメディア活動団体)によって推進されている。このキャンペーンは、人種差別、反ユダヤ主義、ヘイトの犠牲者への支援を改善し、偽情報やヘイトに満ちた広告で利益を上げることを阻止するための変革を促すのが狙いだ。
Facebookから広告を引き揚げることに同意した企業には、アウトドアブランドのREI(アールイーアイ)、The North Face(ノースフェイス)、Patagonia(パタゴニア)も含まれる。ただし、Gizmodeによれば、これらの広告主がFacebook Audience Networkからも広告費を引き揚げたかどうかは定かではない。
Unilever:#StaySafe 私たちは米国内のFacebook、Instagram、Twitterの広告を停止する決断を下しました。
二極化の空気により、各ブランドには信頼できる安全なデジタル・エコシステムを構築する責任が増しています。私たちの行動は今から2020年末まで継続されます。
Facebookは、Unileverの発表を受けて次の声明を公開した。
私たちは、年間数十億ドルを投資し、私たちのコミュニティーの安全を守り、外部の専門家と協力して継続的に弊社ポリシーの評価と改善を行う努力を重ねています。私たちは公民権の監査を受け入れ、250の白人至上主義者団体をFacebookとInstagramから追放しました。私たちはAIに投資を行うことで、ヘイトスピーチの90%近くを検出し、利用者からの報告を受ける以前に行動を起こせるようになりました。最新のEUの報告には、Facebookは24時間に受け取ったヘイトスピーチの報告を、TwitterやYouTubeよりも多く処理できていると示されています。これで十分だとは思っていません。今後も公民権擁護団体、GARM(責任あるメディアのための国際連合)、その他の専門家と共に、この戦いを継続するためのさらなるツール、テクノロジー、ポリシーの開発を進めて参ります。
Twitterは、グローバル顧客ソリューション部門副社長Sarah Personette(サラ・パーソネット)氏を通じて次の声明を発表した。
私たちの使命は、Twitterを、公の会話を促し、人間同士のつながりの構築、正しい信頼できる情報の検索と収集、自由で安全な発言が行える確かな場にすることです。私たちは、公の会話を守り支援するためのポリシーとプラットフォーム機能を開発しました。そして常に変わらず、少数派コミュニティーや、社会から取り残された人々からの声を増幅することを責務としてきました。私たちは、パートナー企業の判断を尊重し、この期間も、彼らと密接に協力し対話を続ける所存です。
米国東部夏時間6月26日午後1時57分(日本時間で6月27日午前3時57分)の時点で、Facebookの株価は取引開始時よりも7%下落した。CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国東部夏時間6月27日午後2時よりタウンホール・ミーティングを開催し、これらの問題について話し合う予定だと語った。
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画像クレジット:Alexander Koerner/Getty Images / Getty Images
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(翻訳:金井哲夫)