ユーザーテストプラットフォームのMazeがシリーズAで15.9億円調達

Maze(メイズ)が、Emergence Capitalの主導する1500万ドル(約15億9000万円)のシリーズA資金調達ラウンドを完了した。同社が提供するのは大規模なユーザーテスト環境だ。利用者はこれを使うことによって、デザインアップデートやテストプログラムを公開する前にフィードバックを収集することができる。

通常多くのユーザーがいる場合には、それをまずテストすることなく公開したくはない。企業の中には、一部のユーザーに対してA / Bテストを実施し、カスタムフォームや投票機能を使ってフィードバックを収集しているところもある。しかし、そのやり方にはある程度のコーディングがともなうし、ロードマップも複雑になる。また他の企業の中には、ただ一部の顧客と、多くの時間を費やしてやり取りを行っているところもある。

Mazeを使えばFigma(フィグマ)、InVision(インビジョン)、Adobe XD(アドビXD)、Marvel(マーベル)、Sketch(スケッチ)のプロジェクトをベースにした新機能をテストすることができる。お気に入りのアプリを使って何か新しいものをデザインした後、そのプロジェクトを使って新しいテストを開始できる。

テスト実施者はウェブブラウザ上で操作を行い、ユーザーにアプリ内で何かをしてもらったり、コンテキストを提供してテストの最後に簡単な質問をするといった設定を行える。設定が終わると、テスト用のリンクが手に入る。

それからテスト実施者はそのリンクを使って、何百人、何千人ものユーザーを対象にテストを行うことができる。そして成功率、ユーザーがどこで離脱したか、質問や投票への回答などについての詳細なレポートを得ることができる。また最新のMazeでは、デザインがなくてもコンセプトをテストできるようになった。

基本的に、Mazeはプロダクトデザイナーやプロダクトマネージャーに力を与えたいと願っている。そうした担当者たちは、その主張に実際の数字で裏づけが与えられることで、製品ロードマップに責任を持つことが可能になる。また、MazeはSaaS製品であるため、誰でもユーザーテストを共同で行うことができる。このことでデザイン主導の会社運営がやりやすくなる。

今回の資金調達ラウンドには、Emergence Capitalに加えて、Jay Simonsや既存の投資家であるAmplify Partners、Partech、Seedcampも参加した。同社はチームの規模を大きくしていく計画である。

過去12カ月間で、Mazeは毎月の経常収益を600%成長させた。現在では年間150万ドル(約1億6000万円)の経常収益を生み出し、4万社がMazeを利用している。100万人のテスターがMazeのテストを少なくとも1回は行っている。GE、Samsung(サムソン)、Vodafone(ボーダフォン)、Braze(ブレイズ)、FairMoney(フェアマネー)などが顧客として名前を連ねている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Maze資金調達

画像クレジット:Maze

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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