ランサーズの次なる一手は「社会人スキル」育成、ベネッセと提携で無料診断アプリ

クリエイターやエンジニア、ライターといったフリーランスに仕事を発注するクラウドソーシングサービス「Lancers(ランサーズ)」が15日、通信教育大手のベネッセと提携し、「社会的スキル」を診断する無料サービスを開始した。コミュニケーション能力やチームワーク力などのスキルを“見える化”することで、Lancers会員のキャリアアップを支援する。ベネッセはLancers会員の社会人との接点を持つことで、小中高生が中心の顧客基盤を拡大する狙いだ。


Lancersの特設サイトで質問に答えることで、「コミュニケーション」「バックアップ」「チーム志向」「モニタリング」「リーダーシップ」といった5分野のスキルを診断できる。質問は「自分からお手本を見せて指導する」「仕事が終わらないメンバーがいたら手伝う」といった合計72問を用意していて、「まったくない」から「とてもそうだ」までの6段階を選んでいく。

ちなみに、スキルの診断結果はLancers上には公開されないので、「背伸び」して答えて診断結果を良くしようとする必要もない。Lancersはスキルの診断結果に応じて苦手分野が同じ人が集まるSNSを公開していて、そこで成功・失敗体験談を共有したり、今後は能力を向上させるために適切な書籍(ベネッセ以外の書籍も含む)をレコメンドしていきたいのだという。

Lancersはこれまでも、デザイナーやエンジニアの登録会員に対して、IT関連の技術スキルがわかるテストを無料提供していて、合格した会員には、マイページでそのスキルを表現できるようにしている。今回のベネッセとの提携では、ITスキルとあわせて、クラウドソーシングで仕事をする上で必要だという「社会人基礎力」を会員に把握してもらいたのだと、ランサーズビジネス開発部部長の酒井佑介氏は説明する。

ベネッセとの提携は、クラウドソーシングでの発注の変化を見据えた戦略でもある。Lancersでは主に、発注者と受注者が1対1で仕事のやりとりをしているが、将来的には複数人で構成されるチームに仕事を発注するケースが増えると、酒井氏は見ている。例えば、ホームページ制作を発注する場合、Lancers上でディレクター、ライター、デザイナー、コーダーからなるプロジェクトチームを組むようなイメージだ。「お互いが非対面で仕事をするクラウドソーシングだからこそ、コミュニケーション能力やチームワークが必要になる」(酒井氏)。


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TechCrunch Japan

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