将来、 筆者がきちんと頻繁に通勤する可能性はゼロだ。あまりに非効率的である。従業員と雇用主は、リモートワークの問題に関して立場が若干違うものの、新型コロナウイルスのパンデミックは将来にわたり職場環境を揺るがした。新型コロナ以前のノーマルな状態には戻らないだろう。
Firstbase(ファーストベース)は、オフィスに戻らず遠隔地から働き続ける従業員らを支援するために、ソフトウェアとハードウェアのソリューションを開発して、リモートの従業員に必要なツールとサポートをすばやく提供している。同社は米国時間4月29日、Andreessen Horowitz(アンドリーセンホロウィッツ)がリードする1300万ドル(約14億円)のシリーズAをクローズしたと発表した。B Capital GroupとAlpaca VCもこのラウンドで資本を投入した。TechCrunchがFirstbaseの風を最初に捉えたのは、同社が2020年半ばにAcceleprisのアクセラレーターコホートに参加したときだった。
注目すべきはFirstbaseが、現在特化している製品から始めたわけではないということだ。スタートアップの間では一般的だが、同社もまったく違うものとして生まれた。元々はフィンテック寄りだったが、2018年にリモートワークに関わり始めた。だがそのエクスペリエンスは輝かしいものではなかった、とFirstbaseの共同創業者でCEOのChris Herd(クリス・ハード)氏がTechCrunchに語った。従業員に必要なテクノロジーを提供するのは難しいし、会社を辞めてしまうとそれを取り戻すのも難しいと彼は説明した。
同社はその後、フィンテックへ注ぎ込む資金と時間は少ないままに、リモートスタッフのハードウェアとソフトウェアのニーズをサポートするために開発した社内の技術の一部が幅広い用途を持つ可能性に気づいた。Firstbaseは2019年後半に方向転換し、2020年3月の時点でハード氏はTechCrunchに、同社の順番待ちリストは600社に上ると語った。以来、その数は数倍になった。
同社の製品は二重構造になっている。これは、リモートワーカーが利用するハードウェア資産を企業が追跡・管理するのに役立つソフトウェアサービスだ。また、ハードウェアにソフトウェアをプレインストールしたうえで従業員に渡し、リモートITサポートを提供できるハードウェアサービスでもある。特に、顧客は、FirstbaseのソフトウェアのみをSaaSベースで料金を支払い利用することも、ソフトウェアとハードウェアの両方を利用することもできる。
Firstbaseの粗利益には2つの源泉がある。ソフトウェア事業はもちろんソフトウェア収入を生み出すが、ハードウェア事業からも粗利益を生み出すことができるとハード氏は説明した。同社のモデルのハードウェア部分は、ソフトウェアコンポーネントに比べ、まだ初期段階にあるように見える。Firstbaseは2020年11月に顧客のオンボーディングを開始したばかりであり、まだ物事を理解する段階にいることが許されている初期のスタートアップだと言える。
TechCrunchはハード氏に、リモートワーカーに必要な機器を提供するのに現在いくらかかるか尋ねた。同氏は、それはさまざまだが2000〜5000ドル(約22〜55万円)の間に落ち着くだろうと述べ、Firstbaseは顧客に対し、そのコストを長期にわたり均等払いで支払うことを可能にする予定だと付け加えた。
会社の今後の見込みは?CEOによると、同社は現在わずか10人の会社で、そのうち3人はパートタイムであり、2021年はスタッフを4〜5倍に増やしたいと考えている。当然、Firstbaseはそのリモートのルーツに立ち返るつもりだ。つまり、単一の地理的地域で従業員を探すことはない。採用予定のスタッフの一部は、ハード氏がインタビューで述べた販売組織に所属する。同社はまた、新しい資本で法人向けのソフトウェア機能を開発し、より大規模な顧客をターゲットにする準備を整える。
FirstbaseがシリーズAでどこまで成長できるのか、そして年末までに投資家から投資をオファーされるのか、注目したい。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:リモートワーク、Firstbase、資金調達
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko MIzoguchi)