ブロックチェーン(分散型台帳技術)基盤のソリューションを提供するレシカは6月26日、千葉大学医学部附属病院検査部・遺伝子診療部研究チームとの共同研究により、医療従事者間または医療従事者と患者間において、患者の診療データを所有・共有する仕組みを開発した。研究内容は、文部科学省基盤研究事業・研究課題の「中央集約型と分散型の併用による医療情報共有のためのトラスト(信頼関係)の評価法」(研究代表者:松下一之)。また今回の検証では、千葉大学医学部発のゲノム・DNA解析ベンチャーのゲノムクリニックが遺伝子データを提供した。
同研究では、将来的に医療業界において医療従事者同士や医療従事者と患者間での医療データの情報共有が進んでいくこと、さらに診療情報のデータ化に伴う患者自身による診療データの保持が進められていくとしている。今回の取り組みの初期段階において、レシカは、秘匿性の高い診療情報が改ざんされることなく、限定された者のみが情報にアクセスできること、また誰がアクセスしたかという履歴について透明性を持って検証できる仕組みとして、ブロックチェーン技術を活用したPoC(概念実証)アプリケーションラットフォームを開発した。
ブロックチェーン技術について、患者自身による医療データの安全な管理、かつ第三者との共有を両立可能にするインフラと位置付けており、医療情報へのアクセス権限に関して、医療従事者などへの信頼度(トラスト)を患者本人が設定することを特徴として挙げている。
今後レシカは、同プラットフォームをベースとした医療現場への実サービス活用、医療に限らず患者のクオリティオブライフ(QOL)を高めるユースケースを検討していく。外部の医療機関および企業の関係者と新たなアプリケーションを開発し、患者の幅広い診療データの有効活用と安全な共有を目指していく。