レーザー溶融技術によりこれまでの製品より一桁安く提供できる金属3DプリンタMatterFab、お父さんの復讐も?

3Dプリントと言えば、誰もがMakerbotなどのマシンから出てくるプラスチック製の小物を思い出す。しかし最近ではますます、素材として金属を使用する3Dプリントへの関心が育ちつつある。金属なら、工業界全般でもっと本格的な3Dプリントの応用が広まりそうだ。

金属を使う3Dプリンタは今でもあるが、お値段が高すぎる。そこで新人スタートアップのMatterFabは、強力なレーザーを使用するマシンで金属3Dプリントのコストを下げようと考えた。

プラスチック3Dプリントでは少量のプラスチックを押出成形しながら対象物を作っていくが、MatterFabのマシンは、台座上に金属粉の薄い層を作り、それをレーザーで溶かして下の層へ融着する。この方法で、さまざまな金属オブジェクトをきわめて高い精度でプリントできる。


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MatterFabのCEO Matt Burrisは、子どものころ父親がインディアナポリスでCNCマシンのショップ〔shop, 製作所, 小工場〕を経営していた。そのショップは主に航空宇宙産業向けの機械部品を作っていたが、約3年前からGEが、そのショップが作っていた部品を3Dプリントで作るようになった。

そこでBurrisは、金属3Dプリンタを自分で作ろう、と思うようになった。そして協同ファウンダのDave Warrenと共に、これまでの2年間、開発に没頭した。ハードウェアインキュベータでシード投資家でもあるLemnos Labsが、チームの面倒を見た。

センサと計算機のパワーのコストがどちらもこのところ急速に下がっているため、MatterFabが作った金属3Dプリンタは、今の製造企業が購入しているマシンに比べて、ひと桁安い価格で提供できる。今はプロトタイプの段階だが、来年初頭には完成製品を発売したい、と考えている。

同社の技術を、上のビデオで見てみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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