Appleが、ホリデーシーズンに向けて新しいiPadを準備中だとの噂がある。レティナ版iPad miniなど、複数の機種を準備中だとの話だ。但しロイターの報道によれば、レティナ版miniは年明けまでは品薄の状態になりそうだとのこと。
この話の情報元はAppleのサプライチェーンのひとつであるらしい。それによると、Retina版miniの生産台数をなんとか増やそうと試みているところながら、ホリデーシーズンにはほとんど入手できない状態になりそうだという話らしい。但し、新機種の発表自体は今月中に行いたい考えなのだそうだ。
生産が遅れそうだと見られている理由は明らかではない。但し、使用するディスプレイパネル部の消費電力について、Appleがかなり厳しい要求をしているという話もある。モバイルデバイスにおいては、ディスプレイの電力消費は常に頭の痛い問題となる。しかもAppleは新機種を出すときには前機種比で同等以上のバッテリー駆動時間を提供することを心掛けている。たとえ消費電力が間違いなく増える高解像度モデルにおいても譲れないところと考えている様子。Retina版となったからといって、バッテリーのもちを犠牲にするようなことがあってはならないと考えているらしい。確かにそれは、遅れの原因のひとつとなり得るだろう。
ロイターの情報源は、ともかくAppleのRetina版miniは少なくとも年明けにならなければまとまった台数を確保できないだろうと言っているそうだ。そうした状況を受けて、レティナ版miniの発売を来年に伸ばすか、それともともかく製造出来るだけの台数を年内に売り出すつもりなのか、それも含めて今のところは検討中であるとのこと。
尚、価格面についてもAppleはサプライヤーに圧力をかけている最中らしい(これもApple絡みではよくある話ではある)。Appleとしては、アジアマーケット等コストが大きく影響する市場を意識して、エントリー機(非レティナ)はKindle Fireなど安価なAndroidデバイスと同じ価格帯で出したい考えを持っているらしい。こうした戦略にもとづき、iPad miniの最安値モデルでは、価格を抑えるために8GBストレージモデルを用意しようとしているという噂もある。
しかし、そうは言ってもAppleのデバイスが200ドルあたりの額になることはないのではないかと思わる。それであれば、わざわざ8GBモデルなどを用意する必要はないのかもしれない。供給が追いつかないというのはAppleの新製品ではありがちのことだ。iPhone 5sもそのせいでバックオーダーがたまってしまっている。というか、新製品のリリース前には、ほぼ必ず供給状況の遅れが報道されると言っても良いくらいだ。
結局のところレティナ版iPadはホリデーシーズンに向けて売りだされるのではないかと思う。供給が間に合わなくても、在庫がなくても、ともかく売り出すのではないかと思っている。つまりは消費者がオーダーしてから入手するまでにかなり待つことになるというわけだ。今回出てきた情報は、消費者への覚悟を促す目的であるのかもしれない。実際にはそれほど待たずに製品を入手できるということも、十分にあり得るのではないかと思うのだ。どのようなスペックのものが、どういった価格帯で出てくるのかは、もちろん現時点ではわかっていない。
[原文へ]
(翻訳:Maeda, H)