Relativity Space(レラティビティー・スペース)は、すでに相当数の打ち上げ契約を交わしている。事実、CEOで共同創設者のTim Ellis(ティム・エリス)氏によれば、同社のTerran 1(テランワン)ロケットの事前契約の数は、ロケット史上最高を記録したという。だが、とりわけ重要なのは最も新しい契約先だ。それは米国防総省(ペンタゴン)。同省は国防イノベーション部門(Defense Innovation Unit、DIU)の取り組みとして、450〜1200kgのペイロードの地球低軌道への打ち上げに即応できるパートナーを探し続けてきたが、Relativity Spaceは、今回の契約でその役割を担うこととなった。
「かなり大型の衛星です。これだけの宇宙船を打ち上げられる業者はかなり限られます」とエリス氏はインタビューに応えて話した。「3mのペイロードフェアリングを持つTerran 1は、実際にそのサイズのペイロードが打ち上げられるすべての米国企業の中でも特異な存在です。そのスケールに十分に対応できるフェアリングを有しているのは、いまだに私たちだけです」。
DIUには、革新的な米国企業、特に技術開発が比較的初歩の段階の企業と協力するという特別な使命があり、その契約は、将来にわたり国防総省との深い関係が保証されるお墨つきとも見られている。だが今回のケースは、Relativity Spaceが比較的成熟した企業であり、国防関係以外の政府機関のものを含むミッションの事前契約数が多いことが評価された。
「今回は、特定のロケットを必要とする現実のミッションがあったからです」とエリス氏。「またこれは、国防総省を初めて顧客として迎えともに仕事ができる、そして私たちが聞いてきた政府の要望を実現できる大きなエコシステムへ駆け上がるすばらしいチャンスでもあります。これはすべてTerran 1に焦点を当てたものですが、もちろん、このプロジェクトとはまったく別に、私たちはTerran Rについてもすでに公表しています。これは、ほんのきっかけに過ぎません。私たちが作るあらゆるものを活用して、さまざまな分野で国益を支えてゆく多大な好機を私たちは見据えています」。
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エリス氏が話していたのは、先日Relativity Spaceが発表した大積載量ロケットTerran Rだ。これは3Dプリントでロケットを建造するこの会社が2021年2月に発表した大型ロケット計画であり、地球低軌道に衛星コンステレーションを投入する目的で注文に応じて作られる。変化するニーズに即応でき、冗長性の高い衛星技術を特に求める国防総省は、これまでに何度も衛星コンステレーションへの強い関心を示してきた。
カテゴリー:宇宙
タグ:Relativity Space、ロケット、3Dプリント、ペンタゴン
画像クレジット:Relativity Space
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(文:Darrell Etherington、翻訳:金井哲夫)