ロシア当局が悪名高いランサムウェア集団「REvil」を摘発、活動停止に

ロシア連邦保安庁(FSB)は現地時間1月14日、悪名高いランサムウェア集団「REvil」を摘発し、その活動を停止させたと発表した

この前例のない動きは、ロシア国外で活動する他のランサムウェア集団に対するメッセージとなることは間違いなく、ロシア当局はモスクワ、サンクトペテルブルク、リペツクの各地域で、REvilのメンバーとみられる14人が所有する25の建物を家宅捜索した。

2021年7月に活動を停止し、その後、9月に復活に失敗したREvilは、Colonial Pipeline(コロニアル・パイプライン)、JBS Foods(JBSフーズ)、米国のテクノロジー企業Kaseya(カセヤ)を標的とした攻撃など、過去12カ月間で最も被害が大きかった攻撃のいくつかを指揮したとみられている。

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FSBは、4億2600万ルーブル(約6億4000万円)超と50万ユーロ(約6500万円)、60万ドル(約6800万円)の現金、暗号資産ウォレット、コンピューター、高級車20台を押収したと発表した。

FSBは声明で、米当局の要請を受けて捜査を行い、その結果は通知された、と述べている。

拘束されたランサムウェアのメンバーは「支払手段の違法な流通」の疑いでロシアの法律に基づいて起訴された。ロシア当局は、容疑者の名前を公表していない。

「FSBとロシア内務省による共同捜査の結果、組織的な犯罪コミュニティは存在しなくなり、犯罪目的に使用されていた情報インフラは無力化された」とFSBは声明で説明している。

今回のサプライズの摘発のニュースは、7月の米国のテクノロジー企業Kaseyaに対するランサムウェア攻撃を指揮したとして、米司法省がランサムウェア集団REvilにつながる22歳のウクライナ人を起訴してからちょうど2カ月後に発表された。また、欧州警察機構(Europol)が調整役を担った作戦により、2021年には他に7人のREvilメンバーも逮捕された。7月にはバイデン大統領がロシアに追従するよう促し、ロシアのVladimir Putin(ウラジーミル・プーチン)大統領にこれらの犯罪組織を崩壊させるための行動をとるよう圧力をかけた。

FSBがとった行動は、1月14日にウクライナの外務省、国家安全保障・防衛評議会、政府閣僚のウェブサイトを含む政府ウェブサイトが大規模なサイバー攻撃でダウンしたわずか数時間後に行われたものでもある。当局者は、結論を出すのは時期尚早だとしながらも、ロシアによるウクライナに対するサイバー攻撃の「長い記録」を指摘した。

画像クレジット:FSB / public

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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