AIを活用した資産運用サービスの「THEO」を提供するお金のデザインは10月31日、NTTドコモ、第一生命保険、大垣共立銀行グループのOKBキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額7.8億円を調達したと発表した。
独自のアルゴリズムに基づき、それぞれのユーザーに最適な資産運用を提案する「ロボアドバイザー」が近年注目を集めている。お金のデザインが提供する「THEO」もその1つ。ユーザーの年齢や金融資産などのデータをもとに、約6000種類以上のETF(上場投資信託)の中から最適な組み合わせを提案し、実際に運用まで行うというサービスだ。
スマホから手続きが完了する、1万円から資産運用ができる、運用報酬も年率1%〜で低コストといった手軽さが特徴で、20〜30代の若年層からの支持を集めている。
今回の資金調達で注目すべきなのは、投資家リストにNTTドコモの名前が加わっている点だ。2017年7月に実施した新生銀行からの5億円の資金調達など、これまでは金融機関との関係を深めてきたイメージの強いお金のデザイン。その分、同社がNTTドコモからの出資を受けた意図は気になるところだ。
実は、NTTドコモが2017年4月に発表した中期経営計画「beyond宣言」にそのヒントは隠されている。
beyond宣言のなかでも特に注目を集めたのは、今後同社がFintech分野に注力していくという部分。これまでにも取り組んできた決済や送金の分野以外にも、投資やレンディングの分野にも注力するとしている。また、投資分野に関しては「ロボアドバイザー」という言葉が明記された。
NTTドコモはこの中期経営計画を進めるにあたり、ロボアドバイザー活用におけるパートナーとしてお金のデザインを選んだわけだが、残念ながらその具体的な共同案についてはまだ分からない。お金のデザイン代表取締役の中村仁氏からも明確な答えは得られなかった。でも、これが”スタートアップ×大企業”という歓迎されるべき取り組みの1つであることは確かであり、今後も両社の取り組みには注目していきたいところだ。