新たな個人の資産運用方法として注目を集めるロボアドバイザー。国内でも複数のサービスが立ち上がっているが、そのうちの1つ「THEO(テオ)」を提供するお金のデザインは7月14日、同日付で新生銀行を引受先とした第三者割当増資により総額5億円を調達したことを明らかにした。
まずは今秋を目処に新生銀行の顧客向けにTHEOの取り扱いを始めるほか、共同で新サービスの開発にも着手するという。お金のデザイン代表取締役社長の中村仁氏によると、4月に発表していたTHEO+をベースにしつつ「単に新生銀行がTHEOの取り扱いを開始する以上のこと」を検討中だという。
「我々の戦略はTHEO+というスケールできるプロダクトをどんどん改善していくこと。THEO+は初期の単純接続や残高表示連携を始めとした展開を考えている。現時点ではまだ詳細は明かせないが、単純にTHEO+新生銀行様を始める以上のことを計画している」(中村氏)
お金のデザインと新生銀行は5月8日に業務提携に関する基本合意を締結。その時点で新生銀行側は今後「新生総合口座パワーフレックス」の顧客向けにTHEOの取り扱いを開始することや、お金のデザインへの出資を検討しているとしていた。
THEOは5つの質問に答えると、それを元に世界の約6000種類のETF(上場投資信託)の中からユーザーに最適な組み合わせを提案、運用するというロボアドバイザーサービスだ。4月4日時点で無料診断を完了したユーザー数が26万人、実際に運用しているユーザー数が1万人を突破している。
運営元のお金のデザインは2013年8月の創業で、2016年2月にTHEOをローンチしている。2015年12月には東京大学エッジキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズらから総額約15億円を調達。それ以降複数の銀行や銀行系のVC、事業会社などから資金調達を実施し、2017年2月22日の時点で創業から累計で約33億円を超える資金を集めていた。(これまでの資金調達には過去の記事で詳しく紹介している)
冒頭でも触れたように現在ロボアドバイザーの領域は非常に盛り上がっており、たとえば2016年10月にはウェルスナビが総額15億円を、2017年3月には「VESTA」運営元のGood Moneygerが7500万円を調達したことをTechCrunchでも取り上げている。その他にもサービスローンチや、大手金融機関との連携などニュースが多く、今後もこの勢いは続いていきそうだ。