オランダの研究者たちが、“繁殖するロボット”を作った、と主張している。繁殖とは、生殖能力がある、ということ。お子様向きに説明すると、二つのロボットの相性評価アルゴリズムが良い結論に達したら、ビューティフルなことが起きるのだ。それ以上詳しいことは、大人になったら分かるよ。このページを下へスクロールしてもいいね。
この“Robot Baby”プロジェクトのプレスリリースはこう述べている: “産業革命の次は産業進化だ。進化の重要な第一歩がこの画期的な発明であり、たとえば、未来における火星の植民地化に重要な役割を演ずる”。小さなどんぐりから大きな樫の木が育つ、とは言うけど、でも、彼らの主張は眉をよーく濡らして聞くべきだ。
“交配”し、“進化”するロボットの研究は、これまでにもいろいろあった。自己再生産能力のある“分子キューブ”や、生まれた子の中から優秀な子を選別する“ロボマザー”、互いに競争し共有し合う“遺伝子”のある“ロボフィッシュ”などなど。でもまだ、本物のGrey gooやロボットの軍隊は見たことがない。…ここは、クォーテーションマーク(引用符記号)の使いすぎで、編集長に叱られそうだ。
でも今度のプロジェクトには、概念実証の段階にすぎないとはいえ、何か新しいものがありそうだ。電動ブロックをランダムに構成したロボットが二つ(将来的にはもっと多く)あり、彼らはよろめきながら歩いて行くが、そのとき、なるべく明るい方向に向かう習性がある(人間の性質ならそれを走光性(phototaxis)と呼ぶ)。光源に早く到着した、運動能力の高いロボットだけを集めて合コンを行い、互いを評価し、番(つがい、夫婦)を選ぶ。
この、番の決定過程はもっと複雑だが、大雑把に言うと、構成ブロック数と脚の長さが同じで、光源への0.5メートルダッシュのタイムがほぼ同じであること、だ。
そうやって出会った二人はデートを数回行い、たちまち恋仲になる。そして、お互いの遺伝的素材(自分を動かしていたコードとハードウェア)を提出しあい、それらを混成して新しいロボットを作る。これが生殖の過程だ(分からなかった読者もいるかもしれない!)。
こうして生まれる赤ちゃんは、パパの右足とママの左足、しっぽ、姿勢安定装置を合わせた奇怪なキメラだ。そしてこの赤ちゃんの脳が言うとおりに各部材を3Dプリントし、それらを組み立てる。より優秀な新世代ロボットの、量産だ。
研究者たちの主張は、難解でもあるが不合理ではない。自己変容型ロボットは状況と環境に自力で適応し、人間の指示や命令を必要としない。
そして自然淘汰のアルゴリズムは、人間のちっぽけな脳の能力を超えたユニークなソリューションを作り出すかもしれない。たとえば、誰かがキリンにプロポーズしたら、あなたはそれを承認するか? しかしそれでも彼ら自身は、きわめてまともだ。この滑稽なビデオは、実際にキリンの解剖を記録している。
コンピューターによる自然淘汰があり、それによる進化もある、という説に納得しない方は、この“進化した仮想生物”を見るか、または、このすばらく楽しいスクリーンセーバーを動かしてみよう。
Robot Babyプロジェクトは、アムステルダム自由大学のAIの教授Guszti Eibenのロボットベビーだ。それは、移動式テクノロジー見本市Campus Partyで披露された。