ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」提供のRapyuta Roboticsは7月20日、マーキュリアインベストメントおよび伊藤忠商事が共同組成したBizTech ファンド(マーキュリア・ビズテック投資事業有限責任組合)からの資金調達を発表した。調達額は非公開。
調達した資金は、複数・異種ロボットの協調連携を実現する、同社独自の群制御AIおよびソフトウェアの開発に投資する予定。同分野は、まだ世界的にも黎明期にあり、rapyuta.ioの技術を発揮できる分野であること、様々な商品を扱う倉庫物流を自動化する上で不可欠な技術となることから、戦略的な注力分野と位置づけているという。
Rapyuta Roboticsは、チューリッヒ工科大学(ETH Zürich)からスピンオフした大学発スタートアップ。2014年7月設立の同社はEU出資の研究プロジェクト「RoboEarth」出身チームにより日本で創業した。
「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げ、世界でも最先端の制御技術および人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」を開発。
複数および複数種類のロボットの協調制御を得意としており、特に倉庫物流の自動化に注力している。自律移動ロボットや自動フォークリフト、ロボットアームなど、多種多様、かつ複数のロボットを、クラウドから一括管理し、協調制御や、ロボットナビゲーションなどが可能となる。
また、rapyuta.ioにより、システム構成要素を一から作り上げる必要がなくなり、ユーザーが得意とする技術分野の開発に集中できるとしている。
2020年5月には、このプラットフォーム構想の第1歩として、物流倉庫用協働型ピッキングアシスタントロボット(自律走行型のAMR、Autonomous Mobile Robot)の商用化を実現した。
マーキュリアインベストメントは、日本政策投資銀⾏が中心となり設⽴された、東証一部上場のプライベート・エクイティ投資の運⽤企業。BizTech ファンドは、マーキュリアの戦略株主である伊藤忠商事を中心に、不動産・物流業界の事業会社をパートナーに迎え、当業界の変革に挑戦する企業の⽀援を目的としている。
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