一台のスマートフォンが複数の電話番号を持てる、というアプリMast Mobileが、Androidでもローンチ、ただし対応機種はSamsungのGalaxy S7, S7 edge, Galaxy S6, そしてGalaxy S6 edgeのみだ。
そのためSamsungは同社に金額非公開で少数株主投資を行った。またMastによると、同社はSamsung Knox Cloud SDKと初めての商用の統合を行い、デバイスのセキュリティを確保した。
本誌TechCrunchのライターJohn Biggsは、Mastを〔髪型の〕マレット(mullet)とみたいだと書いた。ちょっとひねりすぎの比喩だが、けっこう当たっている。たしかにJohnの言うようにそれは、“前髪は仕事用、後ろはパーティー用”だ。
言い換えると、Mastを使えば、一台のスマートフォンで自分の個人的な番号と仕事用の番号の両方を受信できる。つまり、仕事をしているときでも自分の個人用の番号が使えるし、また、どっちにかかってきたかが分かるから、適切な対応ができる。
MastのCEO David Messengerは前身がVirgin Mobile USAの役員で、彼によると、“ビジネスの新しい形を作りたかったんだが、それと同時に、個人が自分のコミュニケーションを管理できるようにもしたかった”、という。
Samsungから話があったのは昨年だそうだ。そのとき彼のチームはiOSをやっていたが、Samsungもおもしろい、と思った。海外展開の機会にもなるし、またKnoxのようなエンタープライズツールもある。
Messengerによると、フリーランスの人たちや、“ギグ・エコノミー”(gig economy)のそのほかの参加者たちのような、個人のユースケースだけでなく、企業にもMastを使うべき十分な理由がある。機能としてはすでにPBXをサポートしているし、仕事用の入呼を営業のデータベースに自動的にログすることもできる、と。
Mastは、必要ならスマートフォンも提供するが、しかしMessengerによると、モバイルのネットワークアクセスを再販したり、デバイスをレンタルするサービスは、原価でやっている。“うちの本来のビジネスはソフトウェアのライセンスだけだ”、と彼は語る。