今や上場企業となったAstra(アストラ)は、初の商業打ち上げの際に問題が発生し(このミッションは、米国宇宙軍の宇宙テストプログラムの一環として契約したテストペイロードを搭載していた)、ロケットが軌道に乗ることはなかった。米国時間8月28日、同社のロケットはアラスカの発射台で離陸時にすべてのエンジンに点火したものの、直後に5つのエンジンのうち1つが故障したため、かなり異例のホバリングとドリフトを起こしたが、その後十分な揚力を得て、空に向かい上昇することができた。
驚くべきことに、ロケットは最初のふらつきと横方向の傾きにもかかわらず、最大高度約50km(約16万4000フィート)まで上昇することに成功した。その後、同社はシャットダウン指令を出し、ロケットは無事に地上に戻ってきた。これは、同社のターゲットとしていた、受託テストに関わるペイロード展開のシミュレーションのための軌道上の目的地に到達しなかったことを意味する。
Astraの創業者で会長兼CEOであるChris Kemp(クリス・ケンプ)氏は、今回の打ち上げに関するプレスリリースの中でこう述べた。「米国宇宙軍のミッション目標をすべて達成できなかったことは残念ですが、今回のテストフライトから膨大な量のデータを得られました。今回の試験で得た知見を、現在製造中のLV0007を含む将来のロケットに反映させていきます」。
Astraが最後に打ち上げを行ったのは2020年12月のことで、その時の試験打ち上げの1つは宇宙空間に到達したものの、軌道速度にはわずかに届かなかった。その際Astraは、軌道に到達するために必要なのは、ナビゲーションシステムのソフトウェアの調整だけだと確信していると述べていた。
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画像クレジット:John Kraus / Astra
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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)