国際的にメディアの関心を集めた、4月に上海で起きたTesla(テスラ)Model Sの発火はバッテリーモジュールが原因でシステムの欠陥ではなかった、とTeslaが金曜日に明らかにした。
TeslaはソーシャルメディアWeiboへの投稿の中で発火原因についての情報をアップデートした。調査チームはバッテリー、車の履歴、ソフトウェア、製造データを分析した。その結果、発火は車両フロントに搭載された1つのバッテリーモジュールが原因だった、とした。
同社はModel SセダンとModel X SUVを対象としたバッテリー充電と温度管理設定を変更するソフトウェアのアップデートを行なった。
このソフトウェアアップデートは最初、香港での別のModel S発火を調査した後の5月に発表されていた。このケースでは、3月14日に香港のショッピングモール近くに停めていた間にModel Sが発火した。この車両は、燃え上がる前に30分ほど停止した状態だった。監視カメラの映像では3回の爆発が確認された。
当時Teslaは、“十分な注意”なしにソフトウェアのアップデートが実行されていた、と語った。このアップデートは“バッテリーを保護し、寿命を改善する”ためのもので、無線ネットワーク上でのソフトウェアアップデートはModel 3では行われない見込みだ。
Teslaはその一方で、発火事故を真剣に受け止めながらも、同社の電気自動車が発火する可能性はガソリン車よりも低い、としている。
中国のスタートアップNioとAudiもバッテリー発火の恐れがあるためにリコールを発表した。Audiの場合、発火はこれまでのところ報告されていない。しかしAudiは、ワイヤーハーネスを通じて湿気が電池の中にしみこむことが明らかになった後、米国でE-Tron SUVの自主回収を発表した。これが原因でバッテリー不具合の警告が出たケースは世界で5件報告されている。
Nioは古いバッテリーパックモジュールにおけるデザインの問題に取り組んでいる。ES8 SUVの納車を2018年6月に始めたNioは中国での一連のバッテリー発火を受け、車両5000台近くを回収している。その後の調査で安全上のリスクにつながる弱点を明らかにした。
バッテリーパックモジュールのサプライヤーを含むNioが率いる専門家チームは、上海で報告されたES8での発火を調査した。そしてチームは漏電を引き起こすかもしれないバッテリーパックデザインの弱点があったと結論づけた。このケースでは、車両に搭載されたバッテリーパックはモジュールNEV-P50が使用されていた。
2018年10月20日以降に生産された70kWhバッテリーパックを搭載した車両ではNEV-P102モジュールが使用されていて、異なる内部構造になっている。こうしたパックでは同様のリスクはない、とNioは話している。
イメージクレジット: Daniel Fung/SOPA Images/LightRocket / Getty Images
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