オランダのハードウェアプロジェクトFairphoneは3年前に、消費者電子製品における紛争鉱物の利用、という問題の社会的な啓蒙を目指して発足した。そして3年後の今日では本格的なハードウェアスタートアップとなり、素材の調達と製造と流通の全操業域にわたって倫理性のあるスマートフォンをを作ることによって、自分たちの知識を行動を通じて広めようとしている。今、ヨーロッパ市場を手始めとして、一般消費者からの予約を受け付けている。
Fairphoneが製造を開始できるためには、定価€325($436)の製品の予約を5000以上必要とする。価格には付加価値税が含まれ、製品の実体は画面4.3インチのロックされていないスマートフォンで、Android 4.2を使用、プロセッサはクァドコアだ。リアカメラが8mpでフロントが1.3mp、デュアルSIMトレイによりキャリアの切り換えが容易にでき、海外旅行に向いている。
スマートフォンとしては十分な性能のものと思われるが、そのデバイスのコンセプトは製造過程にある。使っている素材はすべて完全に透明なサプライチェーンに由来し、とくに金属原料の産地はすべてチェックしている。部品については、どこのどういう人たちがどんな工程で作り、その社会的およびエコロジー的な影響はどうか、という点まで調べる。そしてそれらの情報を買い手と一般社会に公開する。それは人びとに、自分が使う電子製品の原料、工程等に関してより自覚的になってもらうためだ。短期的かつ長期的な啓蒙活動であると同時に、ベストプラクティスとして業界が共有することも期待している。
Fairphoneは最初、16000台の限定生産とし、初期にこのプロジェクトに関心を寄せた人たちから予約を受け付ける予定だった。しかしそのやり方では資金の集まり具合が芳しくないので今回、ヨーロッパ全域の一般消費者から予約を受け付けることになった。
Fairphoneは、販売の過程に関しても透明性を維持する。目下集まっている予約は2333件で、締め切りまであと20日だ。しかし、紛争鉱物など、一般的な知名度の低い問題に挑戦しているプロジェクトだから、予約販売の対象域をもっと広げないと、目的とする台数は集まらないのではないか。
〔参考記事: Fair Trade。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))