新型コロナウイルスパンデミックで、あらゆる業界の中でも特にホスピタリティ産業は大きな打撃を受けている。そして世界中のホテルは売上を確保する方法を模索している。そうした中、Marriott International(マリオット・インターナショナル)とGrab(グラブ)は米国時間10月28日、ホテル大手Marriottのシンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、タイにおけるダイニング事業での提携を発表した。
客室予約の代わりに、Marriott Internationalは東南アジア6カ国で展開するホテル内の約600ものレストランやバーのフードデリバリーでGrabと協業する。この提携は2020年11月にGrabFoodのオンデマンドデリバリープラットフォームに反映される。両社による共同発表では、今回の提携はMarriottにとって「東南アジアにおける初のスーパーアプリプラットフォームの大規模統合」であり、Grabにとって「これまでで最も包括的なホスピタリティ産業との合意」としている。
Marriott Internationalは世界最大のホテル企業だ。第2四半期中は新型コロナで旅行やイベントが減り、同社は2億3400万ドル(約245億円)の赤字となった。2019年同期は2億3200万ドル(約243億円)の黒字だった。中国の事業は徐々に回復しているものの、CEOのArne Sorenson(アーネ・ソレンソン)氏は「これまでで最悪の四半期決算」と話した。
MarriottとGrabの提携は、2社がそれぞれのロイヤルティープログラムをリンクさせることを意味する。つまり、GrabRewardsのポイントはMarriott Bonvoyに変えることができ、その逆もまた然りだ。GrabPayを受け付けているMarriott InternationalのレストランとバーはまたGrabのMerchant Discoveryプラットフォームにもアクセスできる。このプラットフォームではレストランやバーはお得な情報を地域のユーザーに流すことができ、GrabAdsという販促プラットフォームも利用できる。
Grabが提携している他のホスピタリティ企業としては、Booking.com(ブッキングドットコム)とKlook(クルック)がある。Klookは「ステイケーション」や、パンデミックで旅行にいけないものの日常から離れることを模索している人のためのサービスの提供に事業内容を移した旅行企業の1社だ。
カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Marriott International、Grab、東南アジア
画像クレジット:SOPA Images / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)