45億ドル以上という世界最高の評価額を持つSenseTimeが、再び資金の話題の世界に戻ってきた。
先月発表された、Alibaba主導によるファイナンシングラウンドで6億ドルを調達したばかりだが、今回は本日(米国時間5月30日)発表された「シリーズC+」ラウンドで6億2000万ドルを追加したのだ。
前回の取引を主導したのはAlibabaだが、今回はより多くの旧来の投資家たちが参加している、例えばFidelity International、Hopu Capital、Silver Lake、そしてTiger Globaなどだ。前回投資を行ったQualcommも、再び今回のラウンドに参加したことをSenseTimeは認めている。
今回の調達によって、これまでSenseTimeが投資家たちから集めた資金は16億ドルに達した。同社によれば、直近のこの2つのラウンドを経て、評価額は45億ドル「以上」に留まっているということだ。昨年シリーズBで4億1000万ドルを調達したときには、その評価額は15億ドルだった。
Alibabaは先月の投資時点で、SenseTimeに対する最大の単一投資家となったと述べていた。今回の新たな資金注入を経て、それが変化したのか否かははっきりしていない。SenseTimeの広報担当者はTechCrunchに対して、「Alibabaと他の主要投資家の状況は変わっていない」と語っている。
SenseTimeによれば、同社には様々な産業分野(フィンテック、自動車、スマートフォン、スマートシティ開発など)にまたがる700社以上の顧客がいるということだが、その中にはホンダ 、Nvidia、UnionPay、Weibo、China Merchants Bank、Huawei、Oppo、Vivo、Xiaomiなどが含まれている。
おそらく最も目立つパートナーは、国民監視システムにそのシステムを使用している中国政府だ。中国国内に設置された1億7千万のCCTVカメラや新システムで撮影されたデータをSenseTimeは処理している(その新システムには警察官が街頭で着用するスマートグラスなども含まれている)。
中国は技術開発に重点を置いており、AIはその重要な柱の一つである。
政府の計画では、2030年までに同国をAI技術の世界的リーダーにすることを目指していると、New York Timesはレポートしている。その時までには業界は年間1500億ドル以上の価値を持つだろうと予測されている。SenseTimeの継続的な開発は、その野望に直接注ぎ込まれる。
SenseTimeは最近、その存在感を高めようとしている。同社はMIT Intelligence Questに参加した最初の会社となり、Alibabaと共に香港にAIラボを立ち上げた。同社は、中国の高校生向けのAIの教科書も策定していると述べた。それは程なく40の学校で採用されるだろう。
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(翻訳:sako)