中南米のeコマースアグリゲーターMeramaが創業わずか1年でユニコーンに

最近、中南米のeコマースアグリゲーターへの投資が絶好調だ。

中南米でデジタルブランドの買収、立ち上げを行っているMerama(メラマ)は、シリーズBをリードしたAdvent InternationalとSoftbankから6000万ドル(約68億円)の追加投資を受け、設立後わずか1年で評価額12億ドル(約1361億円)を達成した。そしてこのわずか1日前には、中南米eコマースアグリゲーターのQuinio(キノ)が30社を買収するために、初の資金調達で2000万ドル(約22億7000万円)を獲得した。

今回の追加投資は、9月に発表され、メキシコ・ブラジル拠点企業の評価額を8億5000万ドル(約964億円)へと押し上げた2億2500万ドル(約255億2000万円)のシリーズBラウンドに続くものだ。当時同社はこれを「中南米で実施された史上最大のシリーズBラウンド」と豪語した。

TechCrunchが初めてMeramaを紹介したのは2021年4月で、負債と株式合わせて1億6000万ドル(約181億4000万円)をシードおよびシリーズAラウンドで獲得して、eコマースアグリゲーターの世界に飛び込んだ。同社の調達総額は4億4500万ドル(約504億7000万円)で、うち3億4500万ドル(約391億2000万円)が株式、1億ドル(約113億4000万円)が負債による。

同社の共同ファウンダーは次の5人で、CEOのSujay Tyle(スジャイ・タイル)氏は、Frontier Car Groupの共同ファウンダーで元CEO。Felipe Delgado(フェリップ・デルガド)氏はBeetmann Energyの元CEO、Oliver Scialom(オリバー・シャロム)氏はPetsyの共同ファウンダーで元CEO、Renato Andrade(レナト・アンドレード)氏はMcKinseyの元アソシエートパートナー、Guilherme Nosralla(ギルハーム・ノスララ)氏はWildlife Studiosの元グロース責任者だった。

「中南米は世界最速で成長しているeコマース市場ですが、ブランドはほとんと生まれたばかりか存在しない状態です」とタイル氏はいう。「今後5年のうちに、中南米に数十億ドル(数千億円)規模のブランドが複数誕生するとMeramaは確信しています」。

現在。Meramaには180人以上の従業員がいて、メキシコ、ブラジル、チリ、コロンビア、およびペルーにわたり20のブランドを抱えている。2021年は2億5000万ドル(約283億6000万円)以上の商品を販売する見込みで「キャッシュフローは大幅な黒字」になる見込みだとタイル氏は語った。

同社の有力ブランドには、エレクトロニクス会社のRedlemon(レドルモン)、チリのベイビー用品販売会社、Bebesit(ベベシット)などがある。現在850億ドル(約9兆6417億円)の中南米eコマース市場は急成長中であり、2023年には1162億ドル(約13兆1818億円)に達すると予測されている。

デジタルブランドの買収以外に、同社は独自ブランドも立ち上げている他、ブランドが中南米全体で成長するのを手助けするオートメーションとスケーラビリティーのツールも開発している。また、ブランド管理とサプライチェーン自動化のために自社開発している基礎技術を収益化する計画もある。

最新の調達資金は、同社のアルゼンチン、米国への進出を可能にするものだ。Meramaは、Mandaeの元CTO、Danilo Ferrira(ダニロ・フェレイラ)氏をCTOに、MercadoLibreの元マーケットプレイス担当ディレクター、Ignacio Nart(イグナシオ・ナート)氏をブライベート・レーベル担当上級副社長に迎えて幹部チームを強化した。

全体的に見てeコマースアグリゲーターは、過去数年の間に世界中で勢いを増しており、最近では成功した企業が数十億ドルのベンチャーキャピタルマネーを獲得している。前述したQuinoに加えて、今週北京拠点のNebula Brands(ネビュラ・ブランズ)が5000万ドル(約56億7000万円)を調達した。

それ以前には、ヘルスケアブランドに特化した Gravitiq(グラビティック)の参入やHeyday(ヘイデー)の5億5500万ドル(約629億4000万円)のシリーズCがあった。アグリゲーターのビッグネームでは、Amazon(アマゾン)アグリゲーターのThrasio(スラシオ)が10月に10億ドル(約1143億1000万円)の資金調達を発表し、Perch(パーチ)は5月に7億750万ドルの巨額の資金を獲得した。

ThrasioとPerchとは異なり「中南米は成長ストーリーの舞台なので、Meramはごく少数のブランドに絞り、スケーリングと拡張に焦点を当てています」とタイル氏は説明した。ゴールは主要なeコマースカテゴリーそれぞれにカテゴリーリーダーを1つ持つことで、何百というブランドを集約することではありません」。

新たな資金は「中南米初の消費者直販ブランドのためのインキュベーター」と同社がいうMerama Labs(メラマ・ラボ)の設立にも充てられる。この社内インキュベーターは、新たなD2Cブランドをファッション、化粧品、サプリメント、飲料などの部門に創設する。これは複数のカテゴリーでデジタルD2Cブランドを育成し立ち上げるための新しいグロースチャンネルだ。

「当社はインフルエンサーと協力してブランドを作っていきます」とタイル氏は付け加えた。

画像クレジット:Merama

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(文:Christine Hall、翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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