中国、ゲーム認可を再開ー業界に今年最後の大きな朗報

2018年が終わりに近づくなか、9カ月にもわたるゲーム認可の凍結で打ちのめされていた中国のゲーム業界にとって明るいニュースが飛び込んできた。当局が、新作ゲームの認可を再開した、と発表したのだ。

かなり切望されていたゲームの認可は、デベロッパーが合法的に中国で稼ぐために必要不可欠のものだ。「第一群のゲームのレビューを終えたところだ」と中国共産党教育部の高官Feng Shixinは金曜日に開かれた業界スンポジウムで語った。かなり多くの認可申請がそのプロセス過程にあるが、Fengはイデオロギー監視当局が間もなく認可を割り当てる、とも付け加えた。

中国最大のゲーム事業者Tencentの株価は金曜日、4%上昇した。その一方で、Tencentより規模の小さいNetEaseは1%のアップだった。

中国政府は、国家新聞出版広電総局がゆくゆくは国の宣伝機関の直接の管理下になる大きな改革を実施し、それに伴いゲームを管轄する規制当局は今年3月に新作ゲームの認可を停止していた。この大刷新は、数十億ドルマーケットのコントロールを中央政府に与えるのがねらいだ。

一つには、当局はポルノやギャンブル、暴力、そして政府が不適切と考えるコンテンツを含んでいる不法なゲームをきつく取り締まろうとしている。Fengによると、この不適切なコンテンツには歴史を書き換えるようなものも含まれる。3月、Tencentの大ヒットしたモバイルゲームHonor of Kingsは、中国の歴史上の人物について誤って表現しているとして共産党機関紙から批判を浴びた。

二つ目に、中国は特にゲーム中毒や不法コンテンツから子どもを守るという点においてゲームデベロッパーに“確たる社会的責任”を持つよう求めている。政府は子どもの視力低下を引き起こしているとしてビデオゲームを非難さえしている。これを受けて、大手ゲーム事業会社の中ではTencentとNetEaseが未成年プレーヤーに時間制限を設けた。

当局はまた、制作会社にゲームの質を改善するよう求め、また海外展開を促している。中国製のゲームが海外で展開されるにつれ、それらが“中国の文化を広め、中国の価値観を宣伝し、中国の嗜好を披露する”ためのエンジンとなりうる、とFengは話した。

ゲーム認可の長い凍結は、世界最大のゲーム市場にとってこたえるものだった。市場調査のNewzooによると、中国製ゲームの売り上げは右肩上がりで、2018年は400億ドルとなるとみられている。しかしながら、この巨大な産業において過去10年で最も小さい成長率だ。北京拠点の調査会社GPCと中国の公認ゲーム団体CNGのレポートによると、2018年上半期の対前年同期比の成長率は5.4%だった。

たとえば、世界最大のゲームサービス事業者(そして中国最大のメッセージアプリWeChatのデベロッパーでもある)Tencentは、人気のゲームで稼ぐことができなかった。このゲーム大手のゲーム分野における収入は第三四半期に4%減った。消費者向けゲーム事業での圧力を相殺するために、Tencentは企業向けサービスによりフォーカスしようと10月に大規模な組織再編を実施した。

Tencentは第三四半期の決算発表時に、15のゲームが認可待ちだとしていた。これは、切望されたゲーム認可が得られれば、ゲーム事業の売り上げが戻ってくるかもしれないことを意味する。

「これは中国のゲーム業界にとって心強いニュースだ」とTencentは金曜日に出した声明文で述べた。「ゲームのレビューと認可プロセスが再開すれば、Tencentは社会や市民が受け入れるような、そしてより質の高い文化的作品を制作することになるだろう」。

小さなゲーム会社もまた、生き返ったマーケットで競争を有利に進めるチャンスを手にするかもしれない。「ゲーム会社の規模は問題ではない。新たな規則やガイドラインにいかに早く対応するかが問題だ」と海外のゲームが中国で展開するのをサポートしている企業APPTUTTiで事業開発ディレクターを務めるIlya Gutovは話した。

「そうは言っても、コンプライアンスにあたっては大企業の方がより大きな資力を持っている。しかし大企業には経なければならない内部プロセスがあり、小さな企業ほどにフレキシブルではない。だから、いかに素早く新たな認可プロセスに対応できるかが鍵を握る」。

イメージクレジット: Tencent

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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