少し前の話なるがInfinity Ventures Summit(IVS)で、この春にY combinatorを卒業したウェブサイト制作ツールのStrikinglyのCEOのDavid Chen氏と話をする機会を得た。Strikinglyはローチン後6カ月経つサービスだが、すでに数万のユーザーがいて、日本でも多くのユーザーを獲得しているのだという。IVSが開催された日にはちょうど日本語版がベータ版としてリリースされている。
ウェブサイト制作ツールなんて何度も登場してきているから今さら何をという気もするかもしれない。実際、彼らはY combinatorに採択されるために挑戦はしては見るものの一度は落とされている。だが、彼らのウェブサイト制作に対する取り組みはこれまでのものとは一線を画している。Strikinglyはとにかく目指しているのはシンプルさ、だ。これはスマートフォンやスマートデバイスでのウェブサイトに焦点を当てているためだ。シンプルだからStrikinglyで作れるサイトのページ数はたった1ページだ。でも驚かないで欲しい。これで十分にウェブサイトの機能を果たしているのだ。
ユーザーになってみればすぐわかるのだが、シンプルではあるがテンプレートは十分用意されていて、画像や見出しや文章などは直感的に編集できるようになっている(下画面参照)。なにせ1ページを編集するだけだから構造は簡単で、複雑な操作は必要ない。Chen氏いわく10分から15分でひと通りのサイト作成ができるようにしているという。できたページはPCやマックのブラウザーでは当然のようにきれいに表示される。ただ、本領を発揮するのはスマートフォンやタブレットでのブラウザー表示だろう。タッチデバイスでの操作は1ページで構成されているサイトのほうが扱いやすいのがよくわかる。
Chen氏はデスクトップとモバイルウェブサイトは違うものだという。だから、スクロールさせるようなスライド形式のサイトとして、モバイルに特化したユーザーインターフェイスにしたのだそうだ。いまのところはモバイルにフォーカスしていて、PCのデザインは今後考えていくという。
Strikinglyは中国本土から応募して初めてY combinatorに採択されたチームなのだそうだ。現在は北京に拠点を置いてサービスを開発している。目下のところ人材獲得に勤しんでいるようだが、中国初のY combinatorチームだから採用には事欠かないだろういうことだった。
現在のところ、Strikinglyでサイトを作るにはPCのブラウザーでの操作が必要になる。スマートフォンからのページ作成はできないようで、対応は考えているとのことだったが、すぐには実装される気配はなかったが、フィーチャーフォン時代のときの日本のモバイルサイトの隆盛を振り返って考えてみると、モバイルサイトを多くのユーザーに作成させたいならスマートフォンだけでサイト作りを完結できるほうがいいのだろう。