中国で配車アプリDidiがストアから削除、不正個人情報収集疑いで

中国はアプリストア運営事業者にストアからDidi(ディディ)のアプリを削除するよう命じた。このところ中国最大の配車事業者と中国当局の間では緊張が高まっていた。Apple(アップル)の中国App Storeを含むいくつかのアプリストアからDidiがなくなっているのをTechCrunchは確認している。

現地時間7月4日に削除命令を明らかにした中国のネット規制当局は、Didiが違法にユーザーの個人情報を収集していた、と述べた。

Apple、SoftBank、Tencent、Uberなどを投資家に持ち、2021年6月下旬に上場したばかりのDidiは中国のデータ保護規則を遵守するよう命令されていた。

この動きは、中国のインターネット規制当局が今週初めに「国家安全保障上」の懸念でDidiを調査すると発表したことに続くものだ。Didiは6月30日に米ニューヨーク証券取引所に上場した。米国で過去最大のIPOの1つとなり、同社は少なくとも40億ドル(約4440億円)を調達した。

Didiはさまざまなアプリストアからアプリを削除し「修正」を 開始した、と声明文で述べた。また、7月3日に新規ユーザー登録を停止したとも明らかにした。既存ユーザーはこれまで通りアプリを利用できる。

Didiのようにかなり浸透しているアプリがアプリストアから削除されるのは極めて異例だ。2021年3月までの1年間でDidiは年間アクティブユーザー4億9300万人にサービスを提供し、毎日4100万件の取引があると最近明らかにしていた。

Didiの2021年第1四半期の月間ユーザーは1億5600万人で、Uberの9800万人を上回る。中国の公式データでは、2020年12月時点で配車サービスを利用する人は3億6500万人だった。これはDidiがかなりのマーケットシェアを握っていることを示している。

関連記事
ついにソフトバンク、Uber、テンセントが出資する中国ライドシェア「Didi」がIPO申請
中国の配車サービスDidiが新型コロナワクチン接種支援で10.4億円の基金を設立
タクシー配車サービスの「DiDiモビリティジャパン」が52億円調達、ソフトバンクグループとのシナジー強化

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:中国個人情報Didi

画像クレジット:Didi Chuxing

原文へ

(文:Manish Singh、Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。