2012年に創業された宿題指導アプリYuanfudao(猿輔導)の累計資金調達額が22億ドル(約2300億円)に達し、世界で最も価値の大きいEdTech企業Byju’s(ビジュース)を超えた。北京拠点のYuanfudaoの企業価値はいまや155億ドル(約1兆6000億円)で、これは3月時点の倍だ。
新たな調達は2020年3月に10億ドル(約1050億円)を調達したシリーズGの延長ではあるが、同社は2件の調達を別のラウンドとして捉えている。G1ラウンドはTencentがリードし、Hillhouse Capital、Boyu Capital、IDG Capitalが参加した。G2はDST Globalがリードし、CITICPE、GIC、Temasek、TBP、DCP、Ocean Link、Greenwoods、Danhe Capitalが加わった。
調達した資金はカリキュラムの開発や、大きなリモート学習ブームの真っただ中とあってYuanfudaoのオンライン教育サービス拡大に使われる。2018年(未訳記事)に同社はTechCrunchに売上高の大部分はライブコースの販売によるものだと語った。当時の最終目標は資金を調達して、プロダクトにAIをより活用し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることだった。
それから2年が経ったが、Yuanfudaoは中国内でユーザー(生徒)数を4億人へと倍増させた。今回の資金調達は、同社がライブ、オンラインコースワーク、学習のクローズドループシステムをさらに推進するのに使われる。
同社は現在、ライブ指導、オンラインQ&A、数学問題チェックなどさまざまなプロダクトを提供している。
Yuanfudaoは中国各地にある教育センターに従業員3万人を抱え、こうした教育センターがオンラインサービスのベースとなるかもしれない。同社は2014年に清華大学、北京大学、中国科学院といったトップ校やMicrosoft(マイクロソフト)と、AI研究所ならびにテックラボを設立。そうした研究機関の洞察をアプリに取り込むことが目的だ。Yuanfudaoは、生徒の弱点がどこにあるのかを判断するのにAIを活用できると考えている。そうすることで教師のカリキュラムやプロダクトデザインを改善できる。
概してアジアは教育支出が多く、学習成果に熱心な文化と相まって教育熱心なマーケットだ。そのため、デジタル学習へのシフトはすでにブームとなっていた教育マーケットに拍車をかけた。あるレポートによると、中国の教育経済規模は2年間で810億ドル(約8兆5000億円)になるという。
筆者の同僚、 Rita Liaoが指摘した(未訳記事)ように教育指導マーケットを狙っているのはYuanfudaoだけではない。他にも資金潤沢な競合企業があり、ここにはオンライン学習を専門とし、6月に7億5000万ドル(約785億円)を調達した北京拠点のスタートアップであるZuoyebang、シンガポールの政府系ファンドであるTemasekが投資するYiqizuoyeなどが含まれる。
カテゴリー:EdTech
タグ:Yuanfudao、中国、資金調達
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(翻訳:Mizoguchi)