中小企業向けERPプラットフォームの独xentralがTiger Globalなどから82.2億円のシリーズB調達

エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムは、従来は大企業が使うものだったが、近年では中小規模の企業が生成するデータ量が増加し、中小企業(SMB)でもERPの世界に参入できるようになってきた。特にオンラインだけのビジネスでは、その傾向が顕著だ。

年初に、オンラインの中小企業向けERPを開発するドイツのスタートアップxentral(ゼントラル)が行った、2000万ドル(約21億9000万円)のシリーズAラウンドについて取り上げたが、もちろんxentralはそれだけで終わらせるつもりはなかった。

今回xentralは、既存の投資家であるSequoia Capital、Visionaries Club(ベルリン発のB2Bに特化したVC)、Freigeistに続き、Tiger GlobalとMeritechから7500万ドル(約82億2000万円)のシリーズB調達を行った。

今回の資金は、製品の強化、スタッフの雇用、2023年には320億ドル(約3兆5000億円)に達すると予想されるグローバルなERP市場を睨んだ、英国事業の拡大に使用される。

xentralの創業者でCEOであるBenedikt Sauter(ベネディクト・ザウター)氏は、電話で次のように語った。「わたしたちはShopify(ショッピファイ)、eBay(イーベイ)、Amazon(アマゾン)、Magento(マジェント)、WooCommerce(ウーコマース)、そしてPipedrive(パイプドライブ)のようなCRMシステムに接続してソフトウェアを1カ所に集め、企業が本当に業務に集中できるようにバックグラウンドですべてを自動的に行うようにしています。私たちの目標は、金曜日に柔軟なERPが必要だと判断した経営者が、その週末にxentralを導入・設定し、月曜日にはチームに引き渡せるようにすることです」。

同スタートアップは、受注・倉庫管理、パッケージング、フルフィルメント、会計、販売管理などのサービスをカバーしており、現在、1000社の顧客の大半がドイツ国内にいる。顧客には、YFood(ワイフード)、KoRo(コロ)、the Nu Company(ニューカンパニー)、Flyeralarm(フライヤーアラーム)などのダイレクト・トゥ・コンシューマー(D2C)ブランドが名を連ねている。

Tiger GlobalのパートナーであるJohn Curtius(ジョン・クーティウス)氏は次のように語っている。「私たちの調査によれば、xentralの顧客から喜びの声が寄せられていること、そして世界中のeコマース事業者にとって真のミッションクリティカルなプラットフォームに進化した製品を提供していることが明らかになりました。今後、ヨーロッパだけでなく世界中のお客様にサービスを提供するために事業を拡大していくにあたって、ベネディクトやクラウディアのような製品のビジョンを持った方々とパートナーになれることをうれしく思っています」。

xentralは、Sequoiaが2021年ヨーロッパで正式に事業を開始して以来、初めての投資案件だ。Sequoiaはこれまでには、Graphcore(グラフコア)、Klarna(クラルナ)、Tessian(テシアン)、Unity(ユニティー)、UiPath(ユーアイパス)、n8n、Evervault(エバーボルト)などの欧州の スタートアップを支援してきたが、これらの取引はすべて米国で行われてきた。Sequoiaとその欧州における新しいパートナーであるLuciana Lixandru(ルシアナ・リキサンドル)氏は、VisionariesのRobert Lacher(ロバート・レイチャー)氏とともにxentralの取締役会に参加すると考えられている。

MeritechのゼネラルパートナーであるAlex Clayton(アレックス・クレイトン)氏は次のように語る「Meritechは、ERPをクラウド化するというビジョンのもと、2008年にNetSuite(ネットスイート)に投資しました。xentralは、何十万もの中小企業に自動化をもたらし、成長を続けるeコマース市場におけるマルチチャネルプロセスとデータ管理を劇的に改善すると信じています」。

ベネディクト・ザウター氏と共同創業者であるClaudia Sauter(クラウディア・ザウター)氏(妻でもある)は、もともとは彼らの最初のビジネスであるコンピューターハードウェア販売のために、xentralの初期プロトタイプを作ったのだ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:xentralTiger Global資金調達中小企業ERPドイツ

画像クレジット:Xentral

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(文:Mike Butcher、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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