バンタンが運営する「バンタンテックフォードアカデミー」は2月19日、中高校・高専生を対象としたプログラミングの全国共通テスト「中高プログラミング共通テスト」(P共通テスト)成績優秀者の表彰式を開催した。同時に、成績結果サマリーと上位優秀者を対象としたアンケートの結果も公開している。
バンタンは、1965年創立のスクール運営事業を展開する企業。「世界で一番、社会に近いスクールを創る」をビジョンに、ファッション、グラフィックデザイン、映画映像、ゲーム、アニメ、フードコーディネーターなど幅広く学校を運営しており、そのうちのIT専門学校がバンタンテックフォードアカデミーだ。
2020年から小学校でプログラミングが必修科目となり、子どもたちの将来なりたい職業の上位にプログラマーが入るなど、この分野の人気は高まっているものの、2030年にはIT人材が全国で79万人不足するともいわれている。そこでバンタンテックフォードアカデミーは「IT業界の課題解決の一助となるべく」、第1回「P共通テスト」を1月22日に実施した。
テスト問題は、初学者レベルのDランク、新学習指導要綱レベルのCランク、標準のエンジニアレベルのBランク、現役エンジニアの上級レベルであるAランク、現役エンジニアでも時間内に回答するのは難しいとされるSランク、さらにその上のSSランクが設けられ、あえてテスト時間の1時間30分では終わらない内容にした。正答率は、Dランクが62.1%なのに対し、Aランクは6.8%、Sランクは3.4%、SSランクは1.1%と難しさを示しているが、SランクとSSランクの両方に正答する上位者もいて、そのレベルの高さが伺える。高校生部門で全国1位となったのは、児玉大樹さん。「特に終盤の問題には苦戦しましたが、それでもなんとか解くことができてよかったです」と語っている。
P共通テスト ランク別問題モデルイメージ
- Sランク問題:現役エンジニアでも回答に時間がかかる(2問)
- Aランク問題:現役エンジニアでも上位レベル
- Bランク問題:標準のエンジニアレベル
- Cランク問題:新学習指導要綱レベル
- Dランク問題:初学者レベル
成績上位の優秀者を対象としたアンケートでは、将来エンジニアになりたいと答えた人は75%あった。また成績優秀者は、その7割以上が1日2時間以上プログラミングをしており、5割が3年以上の経験を持っていた。これらの結果から、複数年にわたりプログラミングを学習している中高生が8割を超え、エンジニア志望の割合も高いことから、新学習指導要綱が始まれば、さらにエンジニアを目指す中高生が増える可能性があるとバンタンでは見ている。
なお、このテストでは、ITエンジニア向け国内最大の転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」(パイザ)が使用された。