事前に収入を予測できる“データドリブン農業”構築へ、食べチョクが農業IoTとの連携を開始

生産者から直接食材を買うことができるオンラインマルシェ「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは2月20日、データを活用して生産者を支援するデータマーケティングの取り組み第一弾として、農業向けIoTキット「Agri Palette(アグリパレット)」との連携をスタートした。

現在750軒以上の生産者が登録する食べチョクには各生産者/食材ごとに顧客からの評価(口コミ)が蓄積されている。ビビッドガーデン代表取締役CEOの秋元里奈氏は昨年10月の資金調達時に「農家を中心とした生産者データの活用」を今後のポイントに挙げていたが、この顧客評価データを軸にさまざまな企業と連携しながら生産者の支援を進めていくという。

今回連携した農業向けのIoTキット「Agri Palette」は、手軽にIoTを導入できるプラットフォーム「Palette IoT」を手がけるMomoが開発したセンサーシステム。畑から取得した土壌や空気、日照量のデータを受信機を経由してウェブに記録し、アプリ上にて見える化する。

食べチョクでは自社で保有する顧客評価データと、Agri Paletteを通じて取得する作物データを照らし合わせることで「どの条件で育てたものが顧客から高評価なのか」をノウハウとして蓄積していく計画だ。この取り組みが定着すれば生産者は品質・収量・収穫時期もコントロールしやすくもなるため、食べチョク側でも収穫スケジュールを事前に把握できるようになる。

その上で販売時の商品ページの画像を時期ごとに自動で切り替わる機能などを実装する予定。他サービスとの連携も通じて新規就農・新規作付けのリスクを減らしつつ、ゆくゆくはデータを参照することで予め収入を予測できる「データドリブン農業」の構築を目指すという。

タッグを組む「Agri Palette」はMakuakeで予約販売を実施中

Agri Paletteとの取り組みについては、まずは実証実験のような形で一部の農家から限定的に導入を進める方針。本格的なサービスの開始時期は2021年の予定だ。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。