人間とAIの運転に対応する車両管理システム開発のBestmileが18億円調達

輸送ソフトウェアのスタートアップであるBestmile(ベストマイル)は、Blue Lagoon CapitalとTransLink Capital率いるシリーズBラウンドで1650万ドル(約18億円)を調達した。

既存の投資家であるRoad Ventures、Partech、Groupe ADP、Airbus Ventures、Serenaなども本ラウンドに参加した。 2014年に立ち上げられたBestmileはこれまでに3100万ドルを調達している。

Bestmileは、輸送の需要と供給の微妙なバランスを調整する車両管理システムを開発した。車両管理自体は新しいものではない。しかし、都市の中でヒトやモノを輸送する新しくかつ多様な方法の出現は、ソフトウェア会社に新たな機会を生み出した。

Bestmileは、配車サービス、マイクロトランジット、自動運転シャトルバス、さらにはロボタクシーを提供する公共交通のオペレーター、自動車メーカー、タクシー会社が使うプラットフォームとなることを目指している。 Bestmileは、自動運転シャトルバスのような、より未来的な移動手段を管理するプラットフォームとしての機能を強調しているが、車両管理システムは不可知論的であるように設計されている。これは、従来のタクシーのような人間が運転する車のみならず、自動運転シャトルバスサービスや、ゆくゆくはロボタクシーにも使えることを意味している。

Bestmileに投資している投資家たちは、このプラットフォームについて、マイクロトランジット、配車サービス、自動運転シャトルバスにとどまらない可能性も視野に入れている。例えば、Airbusのベンチャー部門であるAirbus VenturesのマネージングパートナーであるThomas d’Halluin(トーマス・ハルワン)氏は、Bestmileを都市における空中交通を推し進める重要な存在であると考えている。

このプラットフォームは、天気、交通、需要、車などからリアルタイムデータを収集し、車両を最大限に稼働させるためにデータを使う。これは、顧客からの需要と車両オペレーションコストのバランスをとることを意味している。

Bestmileは、スイスのローザンヌに拠点を置き、サンフランシスコにもオフィスを構える。すでに自動運転シャトルバスのオペレーターを含む多くの顧客を抱えている。同社のシステムは、現在世界15カ所で車両管理に利用されている。Bestmileは今週初め、フロリダ州オーランドにある自動運転シャトルバス会社のBeepと提携したことを発表した。

Blue LagoonのパートナーであるRodney Rogers(ロドニー・ロジャース)氏とKevin Reid(ケヴィン・レイド)氏がBestmileの取締役会に加わった。ロジャース氏は現在取締役会長を務める。会社を実際に共同で創業した経験があるこの2人は、会社の成長に必要な知見を提供できるはずだ。ロジャース氏とレイド氏は、2015年にEMC Corporationに12億ドルで買収された企業向けクラウドサービス会社Virtustreamを共同で創業した。この事業は現在、Dell Technologiesの一部となっている

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。