人類進化のためにTwitterを使おう

Twitterの利用目的というのは、相変わらず多く誤解されているようだ。Twitterなんかいらないと言う人も多い。しかし実は、Twitterは人類を進化させてくれるものなのだ。理由を述べよう。

私たちは(同じ人類であっても)各人それぞれに、いろいろと異なる道を歩む存在だ。独自の情熱に導かれ、興味を感じる対象も違い、趣味にも非常に多くの種類がある。自分で自らの歩む道を決め、そしてそれぞれに異なる知識を手に入れてやっていくことになる。そんな状況の中、自らは決して訪れない、全く異なる世界の知識を持つ人の頭の中を覗けたとしたらどうだろう。実はTwitterとは、そうしたことを可能にするためのツールであるのだ。

もちろんTwitter自体は入れ物のようなものであり、大事なのは利用者自身だ。フォローする人によっては、朝食は何だったとか、どんなテレビ番組を見ているのかといったような情報を知らせ合うことに終始することになるだろうしかし活用法によっては、世界に存在するありとあらゆる物事を、もっともシンプルな形にして伝えてくれるツールともなるのだ。

たとえば遠く離れた所に住む科学者をフォローしているとしよう。その科学者は、日々研究に明け暮れているわけだ。もしその科学者の研究分野に興味があるとしても、誰もが一日中研究活動を行えるわけもない。しかしTwitterを通じて繋がっていれば、当該科学者が、無駄を省き、そしてわかりやすい本質のみにまとめて、自ら発見した知識を教えてくれるのだ。複雑で難しい内容を、シンプルでわかりやすい140文字にまとめて知らせてくれる。

発言者は、難解な部分を自分の頭の中で処理して、そして得られた結果のみを効率的に教えてくれる。一種の「server-side processing」と見ることもできよう。発言者は、最大限に情報をわかりやすくするために、懸命に苦労してくれる。発言者の目論見がうまくいけば、その発言者の得た知的成果を苦労せずに手に入れることができるということになる。研究に研究を重ね、理解を深めるために人生の全てを投入するということなく、他の人が得た知識を共有することができるのだ。

たとえば私たちは、世の中を量子物理学者のように眺めたり、あるいは映画評論家のものの見方で映画を見てみたり、あるいはアーチスト、探検家、あるいはアントレプレナーのように感じてみることもできるわけだ。「普通」の人であっても、物事の理解の仕方には「特別」なところがある。友人の立場にたって外界を眺めてみるというのも面白いものだ。

もちろん、ツイートを読んでいるからと言って、自らがそれぞれの分野における専門家になるようなことはない。しかし人生は短い。複雑な世の中にあって、すべての分野における専門家になるような時間はないのだ。そのような中で、次善の策を提供してくれるのがTwitterだ。物事を本当に理解している人の知見を自らのものとするチャンスを与えてくれるのだ。

人類に、石炭がダイヤモンドになるような「進化」を遂げさせようとするのが、Twitterの大きなチャレンジだと言えよう。Twitterにはそうしたパワーがある。ただ、Twitterはそうしたパワーを利用者に充分には伝えきれていないようにも思うことがある。

興味深いツイートをする人を見つけ出してフォローすることが難しくなり、そしてフォローしておく価値のある人をアンフォローしたりするようになっているのが現状だろう。Twitterの提供するフィルタリングなしの会話というのは、どうしても無駄話が多くなりがちだ。また何かを伝えようとするよりも、自慢話をしたいという人も大勢いる。こうした面をなんとかしなければ、潜在能力が顕在化することなく消え去ってしまう危険性もある。

人類はこれまでのも、知識を皆で共有しようとする試みを続けてきた。しかし誰もが手軽に利用できるという形での成功にはたどり着くことができなかった。しかしTwitterのおかげで、大金を使って知識を買い漁る必要もなくなり、あるいは長い研究機関に何千冊も本をよまなくても、「叡智」を味わって見ることができるようになった。図書館や研究室閉じこもることなく、いろいろな物事を知ることが出来るようになったのだ。また、求める知識を持つ人と、直接の知り合いではなくても、いろいろな話を聞くことが出来るようになった。誰とでもコミュニケートすることのできる手段を、Twitterは提供しているのだ。

知識などの共有ということを言うのであれば、それはTwitterに限ったことではない。情報の共有をするのが、そもそものインターネットの目的でもあった。しかしTwitterの文字数制限や、本質にあるリアルタイム性が、密度の濃い、直接的な、読む人にわかりやすい知識を伝えてくれるのだ。知識を得るための事前の努力というのが不必要になりつつある。
また、Twitterは孤立していた熱狂的なファンなどの間にコミュニケーションを生み出させ、コミュニティを構築することもできる。被抑圧者に情報を提供して、権利行使を容易にするといった面もある。これまで声をあげられなかった人々に、意見表明の機会を与えることもできる。

Twitterが何の役にたつのかなどと尋ねられたら、今後は自信を持って教えてあげて欲しい。世の中のいろいろな人の専門知識を、誰もが活用することができるツールなのだと。各人の進む道は違えども、ようやく「人類の叡智」によって進化することができるようになったのだ。

(訳注:筆者はTwitterはまだまだ便利に使えるのだということをアピールしたいと、心から感じているようです。以前に同じ趣旨で書かれた「Twitterは、大勢をフォローしてもフィードを見やすく保つための方法を提供すべき」もご覧ください)

[Images Via Fail Whale designer Yiying Lu]

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(翻訳:Maeda, H


投稿者:

TechCrunch Japan

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