新しい形のフォーラムを提供するMootが、3年半の開発期間を経て今日(米国時間4/5)ローンチする。ディスカッションサービスは今でも各種存在するが、Mootはサイトのオーナーのニーズに応じて自由にカスタマイズでき、しかもクリーンでシンプルでリアルタイムで組み込み可能でクロスプラットホームであることを特長とする。スマートフォンやタブレットからも利用できる。
同社のファウンダはポートランドの起業家Courtney Couchと、UIライブラリjQuery Toolsの作者Tero PiirainenとJanne Lehtinen、二人は共にヘルシンキに住む。このチームは以前、人気のWebビデオプレーヤーFlowplayerを作り、そのときに経験し感じたことからMootのアイデアが生まれた。
Couchは次のように説明する: “Flowplayerの全面改築をやろうとしていた。それまではサポートシステムもフォーラムも別々だった。しかし、全体的にスタティックな(動的に生成される部分のない)サイトにしたかった。でも、そのためのツールがなかった。別のフォーラムソフトを単独でインストールすることも考えたが、既存のフォーラムサービスはどれも90年代の産物で、アプリケーションとフォーラムを一体化することができなかったし、ましてやそのための自由な構成も不可能だった”。
そこで彼らが自作したのが、Mootだ。
このプラットホームは、サイトのオーナーがその機能性を自由に設計できる。
たとえば、コメントの投稿だけ、という使い方ができるし、コメント投稿とフォーラムのディスカッションの両方がある形にもできる。フォーラムとコメントが融合してもよい。フラットなコメントも可、スレッドも可能だ。ユーザが、そのサイトのアプリケーション(サービス)の本体で使っているユーザ名とパスワードを、そのまま使えるようにもできる。
Mootにはこのような柔軟性があるが、そのほかの機能もある。たとえば写真やビデオ付きの投稿機能はデフォルトではないが、サイトのオーナーの構成次第でそれができるようになる。
好き/嫌い、賛成/反対、などのいわゆる人気投票の機能はない。それがあると議論に参加するユーザが混乱する、とCouchは言う。
ブログのプラットホームは、Tumblrのようなシンプルなものから、WordPressのような複雑高度なものまで、いろいろある。それと似てMootは、今市場にあるものに比べてずっとシンプルなコメントおよびディスカッションのためのプラットホームだ。Couchによると、ベーシックなフォーラムを立ち上げるまでに1分もかからない。あとは、いくつかの埋め込みコードをコピペするだけだ。
Mootでいちばん目立つのはそのクリーンでシンプルな外見だが、Mootのホームページにはサイトをおもしろくするための多様な機能が詳しく説明されている。たとえば、新規投稿をリアルタイムでフィードできる。また”My Feed”というページで、ユーザが自分自身の対話履歴を閲読できる。こちらもリアルタイムだ。
検索は高速で、入力時にスペルや文法の間違いを訂正してくれる。また関連語彙を見つけてくれる。たとえば”configuring Pyton”とタイプすると、”configure Python”で検索してくれる。
検索結果として出てくるディスカッションは、最初は折りたたまれているが、そのディスカッションへ行かなくても検索結果のページの上で広げることができる。アップデートは、リアルタイムで反映される。リプライも検索結果ページに居るままでできる(上図)。
コメントは、フラットにもできるし、スレッドにもできる。ただし、複雑化を避けるためにスレッドは一段のみ。コメントの[Like]はできるので、それとWordPressのAkismetを使ってスパムを管理できる。サイトのアドミンは、ダッシュボードの上で簡単に悪質なコメントを削除できる。ダッシュボードからの一括管理は、とても簡単便利だ。
ユーザ名の横のボタンが赤だったら今オンライン、グリーンだったら今オフラインだ。ユーザ名はユーザが決められるが、その後勝手に変えることはできない。投稿してから2.71分(またの名: “e“)経つと、編集や削除はできない。アドミンが削除するまで、その投稿はパーマネントになる。
“あとからの削除や編集を自由放任にすると、読者にとって議論のスレッドが理解不能になるからね”、とCouchは言う。たしかに、何のことだか分からなくなるのは、困るね。
Mootの中核的な機能(コメンティング/ディスカッション)は、DiscourseやLivefyre、Disqus、などなどと競合する。今は無料だが、今後は3つの機能を有料化したいと考えている: シングルサインオンが月額20ドル、独自ブランド化が月額5ドル、非公開フォーラムが月額10ドル。ただしこれらの機能は、今のところまだない。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))