今年のCESの目玉は大停電だった

今年のCESの大きなテーマはスマート・アシスタントでも自動運転車でも大画面テレビでもなかった。われわれが皆、白髪になり孫にテクノロジー記事を書いていた時代の思い出を語るようになって一つ話に繰り返されるエピソードは、いやはや、2018年のCESの大停電だろう。

Instagram Photo

#CES2018 セントラルホールで停電。全員外に出るよう誘導されている。続報予定。 #TallBoyExperience 

CES開幕日のトップニュースはGoPro CEOがドローン事業を閉鎖すること、Huaweiの新スマートフォンがアメリカのキャリヤから取り扱いを拒絶されたこと、ある有力検索エンジン企業に雨に対する備えがゼロだったことだろうか。しかしこれに加えて、今朝(米国時間1/10)ラスベガス・コンベンション・センターのセントラルホール全体を襲った停電を挙げる必要がある。CES 2018はあたかもディストピア系SF映画に登場する陰鬱な未来よろしく、来場者はスマートアシスタントとBluetoothヘッドフォン以外に友を持たぬまま廃墟に取り残された人類のような具合だ。

主催者のCTA(Consumer Tech Association)はソーシャルメディアに「ラスベガス・コンベンション・センターの一部に偶発的な停電が生じました。われわれは全力で問題解決にあたっています。ご理解に感謝します」と投稿した。なにぶんにもCESのことで、セントラルホールからの避難のもようを記録する人材にはこと欠かなかった。

またCTAは「セントラルホールの状況が回復するまで、参加者はサウスホール、ノースポールをご観覧ください。また屋外に出てラスベガスの陽光の中でセントラルプラザ、サウスプラザをお楽しみください」と愚にもつかない提案をしている。

この停電で被った被害の程度は出展者によって異なる。バッテリー駆動のTeslaのブースは停電によっていっそう目立つことになったようだ。Intelブースでアトラクションに登場した女性ミュージシャンは停電にもかかわらずバイオリンを演奏して大受けだった。

この記事を書いている時点で停電はかれこれ1時間続いている。われわれはCTAにさらにコメントを求めてる。

アップデート:状況は悪化中。停電はコンベンション・センターのノースホールに拡大した。平常どおりなのはサウスホールだけだ。CTAは来場者を屋外の出展者に誘導している。雨にたたられたGoogleだが、こうなってみると屋外にブースを設置したのは賢明だったかもしれない。

(12:45PM PT) NV Energyが復旧作業中。問題は解決され、25分程度でセントラルホールに電力が戻るとのこと。

(1:00PM PT) 電力は徐々に戻りつつあるという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。